
今回は急性胃腸炎になった時の食事療法についてまとめました。
胃腸炎となると、さすがに直接的な影響力のある体の部位なので、当然ながら食べ物には気を付けたいところですね。
急性胃腸炎になった時の食べ物(発症時・回復後・ダメなもの)を知っておくだけで、臨機応変な対処にも役立つと思うので参考にしてください。
目次
急性胃腸炎の原因
まず、急性胃腸炎の原因は大きく分けると、以下の2つになります。
ウイルス性
ウイルス性胃腸炎は冬季に感染する確率が高く、その種類は幼児の経口感染(病原菌が入った食べ物から感染すること)が多いロタウイルス、成人を対象に集団食中毒などの感染が多いノロウイルスなどが代表的なものです。
その他にも、アデノウィルスやアストロウイルスやサッポロウイルスなどがあります。
ノロウイルスの場合は発症から2週間ほど経過していても、排泄によりウイルスを出しているので感染には油断できません。
十分な手洗いが必要ですが、例えば水道の蛇口からも感染するので手洗いの際は蛇口も洗うようにしてください。
その他にも、嘔吐物の処理やタオルを共有しないようにもしてください。
ウイルス性胃腸炎とノロウイルス、実体験を元にしてアデノウイルスについてはこちらの記事をご覧ください。
ウイルス性胃腸炎の症状・原因・治療法〜潜伏期間と感染経路とは〜
ノロウイルスの症状と感染経路〜新型ノロウイルスの消毒と予防対策〜
アデノウイルスの大人の症状と潜伏期間〜プール熱の頭痛や目の治療法〜
細菌性
細菌性胃腸炎は夏季に感染する確率が高く、食べ物の調理が不十分である場合や調理する人の除菌不足により感染します。
イメージとしては、その細菌が体内(腸の粘膜)に入り毒素を出すことによって腸管粘膜に炎症が起こるといった感じです。
感染する対象は大人と同じ食生活をする子供に多く見られるため、乳幼児には感染しにくい菌になります。
また症状の特徴としては、ウイルス性と比べて発症が遅く、腹痛・発熱・血便などからはじまり、お腹が張った状態になり腹痛の痛みも比較的強い方なので、ウイルス性よりも重症と言えます。
これらが発症するのは、普段の食生活で暴飲暴食したり、うがい・手洗いなどが徹底できていなかったり、ストレス・薬の飲み過ぎなどから起こります。
逆を言えば、こういったことを気を付けていれば感染しくくなるということですね。
なお、感染性胃腸炎については、こちらの記事に詳しく書いていますので、予防のためにもご覧ください。
急性胃腸炎がうつる5つの原因〜感染性胃腸炎の潜伏期間と薬の治療〜
・原因の一つであるウイルス性には、幼児がかかりやすいロタウイルスと大人でも注意が必要なノロウイルスがある。特に夏場に注意が必要!
・もう一つの原因である細菌性は、調理する側からの除菌不足などがあり潜伏期間が長いが重症化する傾向がある特に冬場に注意が必要!
急性胃腸炎の症状と治療
次は急性胃腸炎の症状と治療について見ていきますが、今回はウイルス性の方が主な内容となります。
症状について
咳や鼻水
風邪に似た症状で、ウイルス性の急性胃腸炎には多い
胸やけ、むかつき
食欲不振や胃のあたりに不快感がある
嘔吐、腹痛
吐き気を伴うお腹の痛みがある
発熱
熱により頭痛・関節痛になりますが、一日あれば回復します。
胃腸炎による頭痛について気になる方は、こちらの記事をご覧ください。
急性胃腸炎の熱を下げる方法〜下痢・吐き気・頭痛の期間と治し方〜
偏頭痛に悩まされている方はこちらの最新記事をご覧ください。
偏頭痛の症状・原因・対処法について〜寝起きにもある頭痛の治し方〜
激しい下痢・血便
下痢は水様便で、時に血便にもなるので脱水症状に注意
血圧低下
時間の経過とともに血圧低下により意識がもうろうとする
以上の症状が見られれば、胃腸炎と判断して対処してください。
胃腸炎が慢性的に発症するようであれば、胃潰瘍になる可能性もあるので気を付けてください。
これらに似た症状として、逆流性食道炎ということも考えられます。
逆流性食道炎の症状と原因について〜効果的な食事や薬による治療〜
治療について
急性胃腸炎の場合は、風邪やインフルエンザなどとは違い、ウイルスの増殖を防いだり免疫力を強化するような抗ウイルス剤のようなものはありません。
そのため発症の度に対応する治療の対症療法として、抗生物質や下痢止め・整腸剤などを投与していくことになります。
急性胃腸炎の治療法として推奨されているのは食事療法です。
薬を飲んでも早期回復は見込まれません。
例えば、薬を飲んでいるからと言って刺激のある飲食をしていれば、また再発するということですね。
結局は、胃腸に優しい飲食をどれだけ心掛けられるかで完治する速度も変わってきます。
ただし、その中でもヨーグルトなどに含まれているビフィズス菌を主成分としている整腸剤などは病原菌を排出する効果があるため、症状は回復していきます。
・急性胃腸炎の症状には代表的な腹痛だけでなく、風邪に似た頭痛や咳の他にめまいがする血圧低下などもある。
・急性胃腸炎の治療には特効薬はないため、抗生物質などを飲んだり胃腸に優しい食事をしたりと対症療法となる。
急性胃腸炎の食事(発症時)
基本的に腹痛がある間は絶食すべきですが、嘔吐や下痢などをしていることもあり脱水症状になりかねません。
そのため、電解質の入った飲料水を飲んでミネラルバランスを整えておく必要があります。
ここでは、その電解質の入った経口補水液という代表的な飲み物についてご紹介します。
※ここでの注意点は、冷蔵庫などで冷やさず常温の状態の物を少量ずつ摂ることが前提となります。
OS-1
所ジョージさんのCMでもお馴染みの商品になりましたね。
アクアソリタ
爽やかなリンゴ風味もあります。
アクアライトORS
こちらもリンゴ風味ですが、まさに胃腸炎の水分補給に向いています。
自分で作る経口補水液
電解質の飲み物=経口補水液は自宅でも作れます。
・急性胃腸炎の発症時には下痢や嘔吐を繰り返すので、食べることは控えること!
・急性胃腸炎の発症時の食事として、まずは脱水症状対策として経口補水液を少量ずつ飲むこと!
急性胃腸炎の食事(回復後)
お腹の痛みがやわらぎ、下痢や吐き気が減り回復の方向へ向かってくれば、徐々に食事を再開させていきましょう。
再開のタイミングとしては、嘔吐が3時間以上おさまっているようであれば、GOサインと言えます(下痢はあっても食べてください)。
オススメの食べ方は、一日3食の倍数の5〜6回に分けるといった感じが望ましいです。
では、具体的な食べ物や飲み物について見ていきましょう。
※ここでも、やはり冷たい物は避けて温かい物を食べることで回復が早くなります。
炭水化物
少しでも食欲がある時は炭水化物を摂ることをオススメします。
おかゆや、うどん・バナナ・じゃがいもなど
バナナについては、こちらの記事をご覧ください。
バナナのカロリー・栄養・糖質~ダイエットにも効果のある成分とは~
おかゆ
おかゆについてはこちらに詳しく書いています。
おかゆの美味しい作り方とは?鍋でご飯やお米から作る卵がゆレシピ
おかゆのカロリーを1合・0.5合・100gで計算!糖質やカロリーが低い理由とは?
おかゆダイエットの方法!運動なしの効果・量やおかずで太るのは本当か!?
おかゆのアレンジはレトルトでも簡単か?人気のある美味しい食べ方とは
おかゆをレンジで簡単に作るには?ご飯や米からの作り方と吹きこぼれ対策
いわし団子鍋(うどん)
いわしつみれうどんのレシピはこちらの記事をご覧ください
いわしのつみれの簡単な作り方!鍋やうどんの具材・人気レシピとは?
バナナヨーグルト(乳酸菌とのW効果)
バナナヨーグルトのレシピはこちらの記事をご覧ください。
バナナヨーグルトの簡単な作り方とは?胃腸炎にも効果的なレシピ!
手作りケフィアヨーグルト
ちなみに、こちらのヨーグルトは手作りだからこそ新鮮・無添加で食べられます。
また他のヨーグルトとは違い、乳酸菌・ビフィズス菌・酵母が含まれているので腸内環境を整える条件が揃っています。
ケフィアヨーグルトについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
※わかりやすく書いてありますので、すぐに理解できると思います。
ケフィアヨーグルトの作り方と効能効果とは?ヨーグルトとの違いも紹介!
たんぱく質
たんぱく質は胃の粘膜を保護して修正してくれる働きがあります。
大根、卵、豆腐、白身魚、鶏肉など
ほうとう(おみそ)
ほうとうのレシピはこちらの記事をご覧ください。
ほうとうの簡単な麺レシピ!うどんと味噌に合うおすすめの具材とは?
かき玉汁
かき玉汁のレシピはこちらの記事をご覧ください。
かき玉汁の人気レシピやふわふわにするコツとは?簡単な作り方や具材の使い方
湯豆腐
湯豆腐のタレのレシピはこちらの記事をご覧ください。
湯豆腐が際立つタレの人気レシピ!めんつゆや卵を使った簡単な作り方とは?
湯豆腐と一緒に食べる『生姜』も胃液の分泌を活発にする食べ物です。
その生姜については、こちらにまとめましたので合わせてご覧ください。
生姜の栄養成分は冷凍すると変わる?チューブの効能や生での保存方法
生姜の効能と副作用は?血行促進で冷え性改善の効果と摂取量の目安とは
はちみつ生姜の効能と効果とは?簡単な作り方や美味しい食べ方とは?
酢生姜の簡単な作り方とダイエットにも効果的な食べ方!保存法と期間は?
生姜紅茶の効能や作り方とは?のどや風邪にも効果的な食べ方と飲み方
生姜ココアダイエットはむくみ腸に効果的?その方法と作り方レシピとは
生姜の保存方法!常温や冷凍で違う保存期間と長期保存は冷凍が良い?
野菜
やはり体の調子を整えてくれるのは野菜ですね。
ほうれん草、キャベツ、青菜、じゃがいも、長芋など
ほうれん草のミルクポタージュ
ほうれん草スープのレシピはこちらの記事をご覧ください。
ほうれん草スープの簡単人気レシピ!中華や牛乳・豆乳ポタージュの作り方
春キャベツのスープ
春キャベツのスープのレシピはこちらの記事をご覧ください。
春キャベツの簡単スープレシピ!人気のコンソメスープの作り方は?
青菜のお浸し
青菜のおひたしのレシピはこちらの記事をご覧ください。
青菜の簡単おひたしレシピ!ほうれん草・小松菜・春菊・ニラの作り方とは?
かぼちゃサラダ
かぼちゃサラダのレシピはこちらの記事をご覧ください。
かぼちゃサラダの人気レシピ1位は?電子レンジの簡単な作り方ランキング!
長芋パスタ
長芋パスタのレシピはこちらの記事をご覧ください。
長芋パスタの簡単レシピ!味付けはめんつゆ・人気の具材は納豆や卵か?
ここでの注意点としては、食べた後にすぐに横になるよりは、最低でも1〜2時間でも起きて消化させることをオススメします。
(どうしても横になりたい時は胃から腸へと流れ出る右向きに寝るようにしてください)
・急性胃腸炎の回復後の食事は、嘔吐が3時間以上ないことと一日3食を倍の5~6食に分ける!
・急性胃腸炎の回復後の食事は、定番のおかゆなど温かい物だけを選び消化する様子を見て右向きに寝る!
ここで取り上げているヨーグルトは、胃腸に深く関わりのあるピロリ菌にとっても重要な役割を担っています。
ピロリ菌による症状と感染について〜ヨーグルトが除菌治療に効果的〜
急性胃腸炎の食事(ダメな飲み物と食べ物)
胃腸炎の症状がおさまり、食欲も少しずつ湧いてくるとは思いますが、暴飲暴食は避けてください(腸の機能が衰えているのでまた嘔吐しかねません)。
ここでは胃腸を刺激する飲み物・食べ物は避ける必要があるため、内容を見ていきましょう。
ダメな飲み物
柑橘系ドリンク
炭酸飲料
コーヒー
牛乳、乳製品
乳製品は消化に悪いため胃腸炎の症状を再発しかねません。
スポーツドリンク
ポカリスエットやアクエリアスは浸透圧が高過ぎたり、ナトリウム濃度が低過ぎたりとオススメできません。
アルコール類
アルコール類も脱水症状になりかねないのでダメですね。
ダメな食べ物
脂の多い食べ物
肉類、ハム、ソーセージ、フライドポテト、うなぎ、干物、燻製物、カップラーメンなど
消化が悪い食べ物
さつまいも、こんにゃく、しらたき、ごぼう、レンコン、たけのこ、おくら、きのこ類、キウイ、スイカ、パイナップル、梨、いか、たこ、貝、青魚、かまぼこ、ドーナツ、ケーキなど
香辛料のある食べ物
わさび、からし、梅干し、コショウ、唐辛子の入った食べ物(カレーライス、カレー粉、キムチ)など
食物繊維の多い食べ物
にんにく、パセリ、グリーンピース、枝豆、アボガド、納豆、ひじき、しそ、抹茶など
にんにくについてはこちらの記事にまとめましたので、合わせてご覧ください。
にんにくの栄養素や成分は生・冷凍・加熱で違う?チューブはどうなの?
にんにくの6つの効能と4つの副作用!効果的な食べ方と簡単レシピとは?
にんにくの臭いを消す方法と臭う時間!食べ物や飲み物で次の日まで残さない!
お菓子
スナック菓子、ドーナツ、ケーキ、チョコレート、あんこ類、アイスクリームなど
・急性胃腸炎時のダメな飲み物は、柑橘系・炭酸・コーヒー・乳製品・スポーツドリンク・アルコールetc.
・急性胃腸炎時のダメな食べ物は、脂分の多い肉類・不溶性食物繊維・食物繊維の多い物・香辛料の多い物・甘いお菓子etc.
▼NEXT
★文中で挙げた関連記事の他に、消化器官に関する記事は以下を参照ください★
【消化器官のおすすめ記事一覧】
★胃腸炎や胃痛時の食べ物の情報はまだまだあります!
胃腸炎の食事には消化にいい食べ物を選ぶ〜うどんが良い3つの理由〜
ご飯を食べると胃が痛い原因とは〜胃痛時の食事や飲み物について〜
◆腹痛に関することならこの記事にお任せください!
食べ過ぎや食後の腹痛の原因とは〜下痢や吐き気の治し方について〜
●ストレスを少しでも感じた時の手助けになります!
胃腸炎はストレスが原因~腹痛の治し方に効果的なストレス解消法~
ストレスによる胃痛時の症状と薬について〜胃が痛いときの対処法〜
▲胃・十二指腸潰瘍のことを網羅できています!
胃潰瘍の症状と原因について〜症状チェックと食事療法のポイント〜
十二指腸潰瘍の症状・原因・治療について〜空腹時の胃痛の治し方〜
■吐き気があったらまずこちらを読んでください!
胃もたれの症状と原因について〜吐き気や胃が気持ち悪い時の解消法〜
胃の場所と痙攣による下痢・吐き気について〜右と左の痛みの原因〜
※女性の方が気になる記事も書きました!
腸が痛い原因は下痢やガスか〜腸を洗浄・健康にするには食事から〜
過敏性腸症候群の腹痛と薬について〜女性でも服用できる治療薬とは〜
▼PICK UP!
逆流性胃腸炎についての記事を新しく書きましたので、一緒にご覧ください。
逆流性胃腸炎の症状と対策をチェック〜吐き気がある時の食事療法〜
逆流性胃腸炎の治し方について〜効果的な漢方薬・ツボ・運動療法とは〜
▼NEW!!
こんな「言葉の意味」の記事も書いています。意外と新しい発見があると思います。
ピンキリとはどっちが上?ピンとキリの意味や由来、英語の表現方法について
「すみません」と「すいません」の違いは?言葉の意味と英語表現について
了解の意味と敬語での使い方とは?承知との違いやビジネスで使う時の注意点
まとめ
以上、急性胃腸炎の時の食事について見てきました。
胃腸炎は普通の腹痛とは区別が難しいですが、やはり上記の症状が見られれば、ほぼ間違いありません。
ただ、食事のみでは改善できない場合もあるので、その際は病院へ行ってください。
(例えば、水分補給できないほどの嘔吐であったり、血便、体力回復しない、3回以上の嘔吐・下痢の場合など)
それでは、お大事にしてください。
現在ウイルス性胃腸炎の回復時期です。
単純な疑問ですがヨーグルトはよくて乳製品NGが矛盾しているような気がするのですがどうなのでしょうか。
イメージ的には分かるのですがヨーグルトを食べていいものかどうか…
お問い合わせ、ありがとうございます。
胃腸炎の食べ物で、乳製品がNGでヨーグルトが良い理由としては、牛乳などの乳製品などに対してヨーグルトは乳糖が一部分解されているので良いとしています。
ただしヨーグルトは酸味が強いので、味がないものよりもある方が吐き気などを誘発しないので良いとされています。
ヨーグルトを食べる場合には多量は避け、少しずつ摂取するようにしてください。
以上、簡単ではありますが、ご参考にしてください。
お大事にしてください。
返信ありがとうございます!
ヨーグルト食べてみました。
便はかなりいい状態でした。
もうひとつ質問なのですが、どこをみても食事を少しずつ戻すと書いてありますが、少しずつがアバウト過ぎてどれぐらいかわかりません。また、戻していくにしても食材の順番もよくわかりません。
ちょっとずつこれを食べていくみたいな順番はありますか?
返信が遅くなり、すみません。
ご質問の件について、基本的には当ブログに記載している通り、まずは経口補水液で食事に戻していく順序となります。
また、食事の順序については症状の個人差があるため、”絶対にコレ!”というものは申し上げにくいところではあります。
なお、私の経験上で申し上げると以下の記事に詳細を明記しています。
急性胃腸炎の熱を下げる方法〜下痢・吐き気・頭痛の期間と治し方〜
http://novtrend.com/3933.html
どうぞお大事にしてください。