
貧血対策の一つとして食べ物が重要な役割を果たしているので、鉄分の入った食材などについてまとめました。
貧血と言っても、以下のような様々な種類があります。
・鉄欠乏性貧血
・再生不良性貧血
・失血性貧血
・続発性貧血
・ビタミンB12欠乏性貧血
・葉酸欠乏性貧血
・溶血性貧血
今回取り上げるのは、この中でも7割以上もの人がなっている『鉄欠乏症貧血』について、見ていきます。
目次
貧血の原因
貧血の原因は、血液の中にある『赤血球』とその赤血球の主成分となっている『ヘモグロビン』と『酸素』という3つの要素が上手に機能しない時に発症します。
イメージとしては、体内を流れる赤血球の中に複数のヘモグロビンがあり、酸素はそのヘモグロビンがなければ入れないという風に考えていただければわかりやすいと思います。
常に体内に流れている赤血球ですが、私たちの食生活の中で鉄分補給が不足するとヘモグロビンの量も減ります。そうなると当然ながら酸素も赤血球の中に入ることができず、結果的に3つの要素が合わさった上質な血液が体の隅々まで流れないようになり、貧血になるということです。
男女別に見ると、男性の場合は血液を新たに作る機能が男性ホルモンに備えられているので、上記のような原因による貧血は起こりにくいですが、女性の場合は生理や出産に加えダイエットなどにより貧血になりやすい条件が揃ってしまっています。
とはいえ、男性でも貧血になる可能性はあり、むしろ女性よりも重病(胃がんや大腸がん)の前兆でもあるので注意が必要です。
貧血の症状
次に、貧血になった際の症状について見ていきます。
貧血の症状は、緩やかに進行するので普段生活している中ではなかなか気づきにくい症状と言えます。
そのため、以下の症状が出た時は貧血の症状と判断して、対処するようにしましょう。
口内炎、口角炎
口内炎について、口の中の粘膜は体内の細胞によって常に再生を繰り返しているわけですが、貧血状態になるとその細胞の力も衰えて粘膜の再生も弱くなり口内炎にいたります。口角炎については、体内にあるカンジタという皮膚内にいる菌が体調を崩した時に限って増殖して口角炎という皮膚疾患にいたります。
動機、息切れ
貧血の初期段階です。原因のところでもご説明した通り、貧血になるということは酸素が足りていないということになるので、その足りていない状態で体全体をカバーすることになります。そうなると、心臓や肺への負担が普段よりも大きくなり、動機や息切れにつながります。疲れやすい原因もこの理由から来ています。
吐き気、胃痛
生理痛の時に吐き気を感じる方はわかると思いますが、その時と似た症状です。貧血による吐き気は、子宮を収縮させる機能があるプロスタグランディンという生理活性物質が子宮以外の筋肉も収縮させるため胃や腸も影響することで起きます。また、貧血には氷食症状といって氷を食べたくなり胃への負担も大きくなります。
目まい、頭痛
貧血が目まいと頭痛に共通する点は脳への酸素不足です。要するに酸欠状態になるわけですね。動機・息切れと同様に貧血の初期段階ですが、他の症状も発症しかねません。起き上がれないほどの状態であれば病院で受診してください。顔色が悪い原因もこの理由から来ています。
眠気、倦怠感(けんたいかん)
こちらも吐き気・胃痛の場合と同じで生理痛で悩まされた方ならわかると思います。貧血によって体内の酸素の供給量が減るわけですが、簡単に言うと、その酸素不足によって脳が体を休ませようとして眠気やダルさなどが起きるということですね。
原因のところでも述べましたが、女性は貧血になる可能性が高く、20代~50代の約65%の女性が貧血の症状を経験しています。
とはいえ、インスタント食品や外食での食生活が多くなってきている現代では男性も増加傾向にあり、原因のところでも触れた通り重病の予防は不可欠ですね。
貧血の食事について
貧血の予防として、食事は効果的な対処法と言えます。
一日3食バランスの良い食事をして、鉄分と造血効果のある食べ物を食べるようにしましょう。
しかし、実はこの食事での鉄分吸収率は10%だけということをご存知でしたか?
男性であれば一日1mgの摂取で良いとされていますが、10%のみとなると10倍の10mg摂取しなければなりません。
女性であれば、一日1.2〜1.4mgなので12〜14mgの摂取を心掛けなければなりません。
その上、女性には生理というものが定期的に来るため、月平均で30mgも消費します。
こういうことを考えるだけでも、女性が貧血になりやすいということがわかります。
この吸収率では普段の食生活だけで補うには、無理があり貧血回復の速度にも時間が必要なため、貧血になった場合は病院で鉄剤などを処方されることになります。
とはいえ、貧血を慢性的なものにしないためには、やはり継続的な食事対策が効果的であることには違いはありません。
鉄分の吸収率は変わりませんが、食べる物次第で必要な鉄分の量を補えることもできます。
貧血対策の食事としては鉄分を摂るわけですが、鉄分はヘム鉄と非ヘム鉄という2種類のものに分けられます。
ヘム鉄は魚や肉類などの動物性食品に含まれており吸収率が高く、非ヘム鉄は豆やほうれん草やレーズンなど植物性食品に含まれていて吸収率はそれほど高くありません。
吸収率を具体的な数値で表すと、ヘム鉄が10~30%に対して非ヘム鉄は1~10%と、研究報告などでも5~6倍近くもの差があることがわかります(下表参照)。
具体的な食べ物は次項で見ていきますが、その前に鉄分補給に関する注意点として、控えるべき成分と食べ物について見ていきます。
タンニン
食事中や食後にお茶やコーヒーなどを大量に飲まない
これはお茶やコーヒーに含まれるタンニンが鉄分の吸収を妨げるからです。
タンニンは鉄分の吸収を妨げますが、カフェインも鉄分の吸収を助けるビタミンCの吸収を妨げます。
シュウ酸
シュウ酸はほうれん草の中に含まれる成分で、茹でたりすると出てくる灰汁(あく)が鉄分の吸収を妨げます。
ほうれん草を食べる際は、生で食べずに茹でてあくをしっかりと取ってください。ただし、茹で過ぎると必要なビタミンCを破壊するので、軽く茹でると良いでしょう。
フィチン酸
フィチン酸は玄米や豆などに含まれる成分で、玄米や豆の皮の部分が鉄分の吸収を妨げます。
玄米や豆を食べる際は、玄米ではなく白米を食べるようにして、豆も皮をむいて食べれば問題ありません。また、玄米を食べるのであればよく噛んで食べれば鉄分吸収の阻害を防ぐこともできます。
食物繊維
野菜や果物などに含まれる食物繊維も鉄分の吸収を妨げます。
ただ現代の食生活では食物繊維が不足していることで便秘になったりするほど、普段から不足していることを考えると意識的に摂取している人を除けば、普段通りで問題ないでしょう。
その他
この他にも、ポリフェノールの入った赤ワインや、鶏卵やゆで卵なども控えるべき食べ物となります。
貧血に効果的な食べ物
鉄分が必要であることはわかっていただけたかと思いますが、食事はバランスが大切なので、その鉄分の吸収力を促進させる以下のような食べ物も必要になってきます。
ビタミンC
非ヘム鉄を水に溶けやすくしてくれるビタミンCは、ピーマンやいちごなど含まれており吸収力を高めます。
CPP(カゼインホスホペプチド)
たんぱく質が消化する時にできるCPPは、牛乳に含まれており鉄分以外の成分も吸収しやすくしてくれます。
酸味のあるもの
お酢で作られたものや梅干し、みかんなどの柑橘系の食べ物も、胃酸を分泌して鉄分の吸収力を助けてくれます。
それでは具体的な食事療法として、貧血に効果的な食べ物について見ていきます。
ひじきのサラダ
食べやすいシャキシャキサラダ。
作り方:http://cookpad.com/recipe/3049523
ほうれん草クッキー
作っておいて定期的に食べるのに良いですね。
作り方:http://cookpad.com/recipe/3114841
ダイエット用のスムージー
超簡単スムージーで一石二鳥。
作り方:http://cookpad.com/recipe/3168731
豆腐ハンバーグ
ヘルシーで満腹感。
作り方:http://cookpad.com/recipe/3028152
もやしナムル
安くつく美味しさ。
作り方:http://cookpad.com/recipe/2958343
小松菜とひじきのチャーハン
子供から大人まで食べられます。
作り方:http://cookpad.com/recipe/2831007
リンゴとオレンジのスムージー
くせのない味でサッパリ補給。
作り方:http://cookpad.com/recipe/3089177
納豆パスタ
やはり豆なら納豆ですね。
作り方:http://cookpad.com/recipe/3240250
レバニラ炒め
鉄分ガッツリ摂れます。
作り方:http://cookpad.com/recipe/3304138
豆腐いんげんソーセージ炒め
普通に美味しそう。
作り方:http://cookpad.com/recipe/3089352
参考サイト:クックパッド
バランスの良い食生活があらゆる症状の予防につながりということですね。
今回は貧血の食事療法でしたが、自律神経失調症や同じく貧血についての記事も書きました。
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女性の方が気になる自律神経失調症の記事はこちらを参考にしてください。
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腎機能が低下すると腎性貧血になります。こちらの記事も参考にしてください。
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その他、健康診断に関する記事はこちらをご覧ください。
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まとめ
以上、鉄欠乏症貧血対策の食べ物について見てきました。
まとめると、以下の通りです。
●貧血の症状を熟知しておき、発症していないか疑ってみる
●食べ物の鉄分は吸収しにくいので、吸収を促進させるバランスが必要
●鉄分吸収を妨げる食べ物は控える
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