
胃潰瘍の症状と原因について詳しくまとめました。
胃潰瘍というとストレスと密接な関係にあるというイメージが多いと思います。
でも、具体的にどんな症状があれば発症するのか、日々の食生活で改善できないのか気になる方も多いと思いますので、是非こちらの記事を参考にしてください。
目次
胃潰瘍の症状
胃潰瘍というと中高年以上の男性の病気というイメージでしたが、最近では男女問わず若い人でも発症する病気となってきています。
どんな症状?
胃潰瘍の症状は、胃が痛むので当然そこに位置するお腹の少し上の部分(みぞおち)に異変があります。
特にわかりやすい症状としては、胃潰瘍は食後に痛みを感じ、十二指腸潰瘍は空腹時に痛みを感じると言われています。
ただし、胃潰瘍は痛みを感じないこともあります。そのまま放置しておくと、激痛が走り胃に穴が開く胃穿孔(いせんこう)という病気に発展する恐れがあるので、初期症状が見られたら早めに対応しましょう。
初期症状をチェック
初期症状としては、明らかに普段とは違う症状が現れるので、体の異変に気づくと思います。
以下の症状が現れるようでしたら、病院で診察してもらうようにしてください。
みぞおち辺りの痛み
すでにご説明しましたが、この症状が最も多い初期症状と言えます。以下の症状よりも、この部分の痛みがあるようでしたら、胃潰瘍と疑ってみてもよいと言えるでしょう。
胃もたれ、胸やけ
これは胃酸が出過ぎたり、胃のぜん動運動が鈍くなることで起きます。また胃から食道へ逆流する呑酸(どんさん=げっぷ)という症状も表れます。
吐き気、嘔吐
これも胃酸が分泌され過ぎることで吐き気、胃液や消化不良となったものが吐き出される(嘔吐)ことになります。
食欲不振
これも消化不良が原因で食欲不振になります。結局、排便に必要な食べ物が食べられないことで便秘にもなっているということになります。
便秘、腹部膨満感
胃酸の分泌機能が低下することで、腸の運動も低下して便秘・ガスが溜まったりと、お腹が張った感じになります。
吐血、下血
潰瘍ができたところから出血され、胃酸により黒い血を吐くことになります。下血も、上から出なかった血が体内で時間を置くことで黒い血便となって出てきます。
下痢
これは、吐き気や嘔吐とは逆で胃酸が出過ぎることで消化し過ぎてしまい、下痢にいたるという症状になります。
背中が痛む
胃潰瘍の場合は背中の左側が、十二指腸潰瘍の場合は背中の右側が痛むと言われています。背中が痛む時は重度なため、その前にみぞおち辺りが痛みます。
胃潰瘍の原因
ここでは、胃潰瘍となる原因について見ていきます。
私たちの胃の中は胃の粘膜によって胃酸から守られていますが、ストレスなどの自律神経のバランスが崩れることにより胃の中のバランスも崩れ、結果、胃酸が多くなり胃を傷つける(胃潰瘍になる)ことになります。
胃の粘膜は3層にもなって構成されていますが、1層ほどまでであれば『びらん』といって表面だけのただれで済みますが、2層・3層までおよぶと重度の潰瘍となり、それ以上になると腹膜炎や胃穿孔へと発展します。
ピロリ菌の感染
胃潰瘍となる可能性が最も高い原因と言えます。胃潰瘍となる70%以上の患者がピロリ菌感染者です。ピロリ菌とは病原微生物で、幼少期に感染すると言われており火傷するほどの酸性が強い胃酸の中でも生息できます。このピロリ菌から作られるアンモニアなどが胃の粘膜を傷つけて、そこに胃酸が触れるので胃壁が傷ついて胃潰瘍になります。ピロリ菌は除菌しなければ再発する細菌ですので、ピロリ菌が原因かどうかの診断は不可欠と言えますね。
※ピロリ菌についてもっと知りたい方はこちらを参考にしてください。
ピロリ菌による症状と感染について〜ヨーグルトが除菌治療に効果的〜
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
これを服用することで胃酸が必要以上に分泌されたり、胃の粘膜が低下することで胃潰瘍になります。NSAIDsは頭痛・歯の痛み・手術後の痛み・発熱・外傷などの鎮痛剤や解熱剤として、病院から処方されたり市販薬でもあります(バファリン、ロキソニン、ボルタレンなど)。これを服用していると胃が痛いなどの前兆はなくいきなり吐血することがあります。
低用量アスピリンもNSAIDsの一種ですので、狭心症や心筋梗塞・脳梗塞の再発予防のために服用されている方は気を付けてください。
ストレスによる影響
ストレスは胃潰瘍を発症させるキッカケと言えます。睡眠不足や過労などの肉体的なストレスや、悩みや不安などの精神的なストレスは自律神経の乱れて胃酸を過剰分泌させます。ストレスを溜めないことが重要にはなってきますが、この自律神経の元となる『交感神経』と『副交感神経』のバランスを上手に保つことが日常生活の中での改善につながります。
※自律神経についてはこちらの記事に詳しくまとめています。
自律神経失調症の症状とは〜女性の自律神経の乱れを無料でチェック〜
自律神経失調症の薬による治療〜処方されるデパス錠の効果・副作用〜
自律神経失調症の治し方・改善法とは〜漢方薬とサプリメントで対策〜
自律神経失調症の食事療法について〜食べ物による治し方・対策とは〜
自律神経失調症の原因と治し方〜自律神経の乱れと整え方・対策法〜
この他にも、お酒の飲み過ぎや喫煙、暴飲暴食や不摂生、香辛料などの刺激物を食べることも胃潰瘍となる原因と言えます。
自律神経を安定させるにはリラックスすることから。
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食事療法のポイント
今すぐにでもできることと言えば、やはり食生活の改善ですね。
ここでは、どのような食事をすれば良いか・食事をするにあたって胃に負担が掛からないポイントについて見ていきます。
胃潰瘍になる前から食べる物に気をつけて、食べる時や食べた後なども胃にとって優しい習慣を身に付けて予防はもちろん、改善に向けて取り組みましょう。
食べ方
・気持ちに余裕を持って時間をかけて、ゆっくりよく噛んで食べる
・猫背や前傾姿勢にならないように、姿勢は正して食べる
・食べることだけに集中して、スマホや新聞を見ながら食べない
・冷たい物も胃に負担をかけて、血液循環が悪くなるので避ける
・バランスの良い食事を心がけ、偏った食事をしない
・暴飲暴食をしないためにも、一日4~5食に分けて食べる
生活習慣
・睡眠時間は十分に確保して、疲れを溜めないようにする
・体を動かす機会の少ない方は、ストレッチまたは運動をする
・胃に負担をかけないためにも、就寝前は何も食べない
・日頃からの悪習慣は断ち切り、大酒・喫煙は控える
・食べた直後は横になったり、激しい運動をしない
食べ物
具体的な食べ物(食べて良い物・ダメな物)については、こちらの記事に詳しく書いてあります。
胃腸炎の症状は食事で改善する〜急性胃腸炎の原因と食べ物について〜
胃腸やお腹など消化器官が気になる方はこちらの記事を参考にしてください。
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8位 ピロリ菌の症状と感染・除菌について
9位 胃もたれの症状と原因・解消法について
10位 胃の場所と右と左の痛みについて
まとめ
以上、胃潰瘍の症状や原因と食事療法について見てきました。
まとめると以下の通りになります。
・胃潰瘍の症状はみぞおち辺りが一般的だが、その他の初期症状もチェックしてみる
・胃潰瘍の原因はピロリ菌にあるが、ストレスを溜めない・薬を乱用しないことなどが重要
・胃にとって優しい食べ物はもちろん、食べ方などの生活習慣改善は不可欠と言える
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