
高血圧の症状や原因、食事療法について詳しくまとめました。
高血圧というとイメージとして良くないことはわかっていますが、どう良くないのか?具体的な症状や改善方法はあるのか気になる方も多いと思います。
是非参考にしてください。
目次
高血圧の症状
まず、高血圧の症状について見ていきます。
日本には高血圧の患者が3,000万人以上存在すると言われています。
20代後半~30代から加齢とともに患者数は増加傾向にあります。
血圧、高血圧とは
でもその前に、そもそも『血圧』って何?と思われる方が多いと思いますので、ご説明しておきます。
私たちの体内に流れている血液は、心臓で作られて血管を通って出ていきます。その心臓から出ていく部分を動脈と言って、その動脈の壁への圧力が『血圧』と言います。
そして、その血圧が決まる基準として『上の数値』や『下の数値』ということを聞いたことがあると思います。これは血液を出していく心臓というポンプが収縮したり、拡張したりする時に判断されます。収縮している時が正式には『収縮期血圧(上の数値)』、拡張している時が正式には『拡張期血圧(下の数値)』と言われています。
基準となる数値ですが、収縮期血圧(上の数値)が140mmHg以上で、拡張期血圧(下の数値)が90mmHg以上の場合に高血圧(高血圧症)と診断されます。
ただ血圧は体温の変化と同じで、日々の生活の中で変化し続けています。なので、その時に計測した数値が高いからといって高血圧・低血圧という判断はできません。要するに、日時をランダムに変えて計測しても高ければ高血圧という診断結果になります。
一日の血圧の移り変わりについて、簡単にご説明すると寝ている時が最も低く、起床した時から徐々に上がっていき日中がピークとなり、また活動量が減る夜につれて下がっていく流れです。
また高血圧には2種類あり、『本態性高血圧症』と『二次性高血圧症』とに分類されます。
本態性高血圧症
本態性高血圧の『本態性』とは、原因が明らかでない症状のことを指します。高血圧患者の90%がこれに該当します。考えられる要因としては、遺伝や生活習慣などの可能性が挙げられます。
二次性高血圧症
本態性とは逆で、内視鏡などで明らかにされる症状のことを指します。高血圧患者の10%がこれに該当します。原因としては、腎臓に関する病気・ホルモン分泌の異常・動脈の異常などが挙げられます。
高血圧による影響
次に、高血圧になると心臓や脳に関する疾患(心筋梗塞や脳卒中など)を発症すると言われていますが、その理由はどこにあるのかをご説明します。
すでにご説明した通り、高血圧になると血管(動脈)に圧力がかかるため血液の流れる道が狭くなって、その圧力に負けないために血管は分厚くなろうとします。しかし、その分厚くなろうとすることが心臓や脳に影響を与えることとなります。『動脈硬化』という言葉を聞いたことがあると思いますが、これがまさしくその現象です。本来必要とされる血液が心臓や脳に行き届かないことで、重病を発症していまいます。
自分の血圧のことをよく把握しておいて、高血圧にならないための原因を知って、対策していきましょう。
症状
では本題となる症状ですが、高血圧には特有の自覚症状がほとんどありません。よく言われがちな、頭痛・めまいなどは明確な症状とは言えません。ですので、頭痛やめまいなどを感じても風邪や貧血などと勘違いしてしまいます。そこで、気をつけていただきたい症状について見ていきたいと思います。
腎臓による影響
腎臓と言えば、尿や足に影響してきます。夜の睡眠中に何度もトイレに行くことがあるという方は注意が必要と言えます。また、足のむくみ・しびれなども腎臓に影響が出ている証拠と言えます。
眼の異変
高血圧の検査には眼底検査というものがあるほどであり、眼に異変がある時も注意が必要です。寝不足でもないのに眼が充血していたり、眼がかすんだりするのは高血圧網膜症かもしれません。
動悸、息切れ
特に運動をしたわけでもないのに息切れをしたり、緊張するような場面にいるわけでもないのに動悸をする時は高血圧と疑った方が良いです。血圧が上がると不整脈になり、これらの原因になります。
肩こり、腰痛
肩こりは本態性高血圧に当てはまるので、頭痛などと同様で長期間続くようであれば高血圧を疑ってみると良いでしょう。逆に筋肉のこりにより血管を圧迫して血圧が上がることもあります。腰痛は二次性高血圧症で、内蔵の肥大化が原因で腰に負担がかかります。
頭痛、めまい
これも本態性高血圧に当てはまるので要注意です。通常、頭痛になる場合は脳の血管が拡張されますが、高血圧の場合は動脈硬化が理由になります。日頃から血圧が高めの人は頭痛やめまいになることで、診察を受けることをオススメします。
これらの症状を気をつけることは重要ではありますが、一番やってはいけないことは『放置』することです。ご説明した通り、確かにこれといった特有の自覚症状がありません。だからこそ、体に異変を感じたら受診するようにしてください。今では自宅で計測できる機器もありますから、独自の予防手段を考えましょう。
高血圧の原因
次に高血圧になる原因について見ていきます。
ご説明した通り、現代では高血圧になる90%が解明されていませんが、その可能性を減らすことはできます。
塩分
ご存知の通り、血圧が上がる一番の原因と言えます。塩分(=ナトリウム)の摂取量が増えると、血液が塩分を薄くしようと働くので結果的に血液中の水分が増えてしまいます。そうなると、当然血液の量も増えることになり、血圧も上がります。
運動不足
運動不足になると血管が硬くなり、血液の流れが鈍くなります。適度な運動をすることで、酸素などが体内に入ってきます。そうなると、体内を流れる血液の循環も良くなるので、血管も広がり動脈硬化などの心配もありません。また肥満対策にもなります。
睡眠不足
アメリカでの研究で、中高年を対象に5時間睡眠と6時間睡眠で検証した結果、5時間睡眠をしたグループの方が37%もの人が高血圧になっています。また睡眠の質も影響しており、途中で目覚める=日中の血圧の高さということになります。
不規則な生活
昼夜交代制で働いている人には高血圧患者が多いことはよく知られています。人間の体内時計は朝起きて夜に寝るという習慣でバランスが保たれています。それを逆転するだけで血圧は高い状態であり、その状態で塩分を摂取するだけで高血圧になりやすくなります。睡眠の質にも影響があります。
肥満
肥満になることは普通の体型の人に対して、高血圧が2~3倍にまで発症率が上がります。その理由は、食べる量が多いことで塩分摂取量も増えることと、体内を循環する血液の量が増えることで心臓に負担がかかるためです。
タバコ、飲酒
タバコが血圧を上げる理由には、ニコチンがホルモンを過剰分泌させることと交感神経を刺激することです。お酒は適量であれば血圧を下げる効果もあるのでやめる必要はありませんが、大酒は控えましょう。例えば、ビールであれば一日666ml程度。
加齢
加齢が高血圧となる一番の理由は、血管の老化にあります。歳をとるにつれて血管は硬く細くなり、そのせいで血圧も高くなってくるというわけです。50代から急に増加して60代以降は年齢とほぼ同じ発症率(%)を推移します。
遺伝
若い頃(40歳まで)に高血圧になると、遺伝性の高血圧であるケースが多いです。一つの遺伝子だけで発症するのではなく、高血圧になる可能性がある遺伝子なので、普段の食生活などの生活習慣を見直すだけで改善できます。
睡眠の質やホルモンを過剰分泌させる自律神経(交感神経や副交感神経)については、こちらのストレスに関する記事に詳しくまとめています。
胃腸炎はストレスが原因~腹痛の治し方に効果的なストレス解消法~
食事療法
高血圧の食事対策は塩分を控えめにすることが一番ですが、具体的にどんな物を食べれば良いかを見ていきます。
塩分を控える
塩分を控えると言っても、それが逆にストレスになって食べる量が増えるなどのようなことがあってはいけません。食事にも以下のような工夫をしてみましょう。
・外食は控える(一週間に○回などと決める)
・ラーメンやうどんなどのスープは最後まで飲み干さない
・醤油やソース、マヨネーズやケチャップなどの調味料は少量に意識する
・レトルト、インスタント食品は食べないようにする
・漬物やお寿司に付いてくるガリなどは食べない
・中華は和洋中の中でも塩分が多いので、外食は控えて調理する場合は塩分調整が必須
など
たんぱく質を摂る
たんぱく質(特に魚介類)には血管を柔らかくして血流を活発化させるDHAとEPAが含まれています。
・魚介類:マグロ(赤身)、鮭(しゃけ)、鯖(さば)、ほっけ、いわし、さんま、はまち、ぶり、太刀魚、シーチキン、エビ、いか、たこ
・海藻類:焼きのり、味付けのり、昆布
・豆類:納豆、枝豆、豆腐
など
カリウムを摂る
カリウムは腎臓へのナトリウム吸収を抑えて、ナトリウムを尿として排出してくれます。
・果物:バナナ、リンゴ、キウイ、メロン、イチゴ、干し柿、アボカド
・野菜:じゃがいも、にんじん、さつまいも、かぼちゃ、さといも、春菊、ブロッコリー、ほうれん草、
・海藻類:ひじき、わかめ、のり、昆布
など
マグネシウムを摂る
マグネシウムにはカリウムやカルシウムの働きを助けて、血圧を下げる効果があります。
・種実類:ごま、アーモンド、カシューナッツ、落花生、くるみ、ピスタチオ
・魚介類:煮干し、干しエビ、するめ、しらす干し、あさり
・海藻類:青のり、わかめ、ひじき、昆布
など
カルシウムを摂る
カルシウム不足になると心臓や血管が収縮するため、意識的に摂取する必要があります。
・乳製品等:チーズ、牛乳、ヨーグルト、ソフトクリーム、加藤練乳、卵(生、ゆで)
・魚介類:いかなご、ししゃも、さば缶、わかさぎ、桜えび
・豆類:えんどう豆、油揚げ、がんもどき、豆腐、おから
など
その他
・水分補給はこまめに摂る
・エネルギーを摂り過ぎない
・一日3食をしっかり食べて、質と量のバランスを考える
高血圧の方におすすめのストレッチ動画はこちらをご覧ください。
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まとめ
高血圧の症状や原因、食事療法について見てきました。
まとめると以下の通りになります。
・血圧の症状は不明確なものが多く自覚症状も少ないが、考えられる症状で対処する
・原因は塩分摂取・生活習慣などを改善して、根絶するように意識することで予防する
・生活習慣改善の一つである食事療法を取り入れ、必要な栄養を摂取するよう心掛ける
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