
以前に書いた胃腸炎と食事の記事でご説明しましたが、胃腸炎には大きく分けてウイルス性と細菌性の2種類があります。
今回はウイルス性胃腸炎について詳しくまとめましたので、参考にしてください。
目次
ウイルス性胃腸炎の症状
ウイルス性胃腸炎の症状について見ていきます。
主な症状としては、腹痛による嘔吐や下痢で、その影響により脱水症状にも発展します。
ウイルス性は細菌性のものよりも軽微ではありますが、冬季に感染するウイルス性の特徴の一つとしては発熱が出ることもあるので、嘔吐・下痢などに加えて頭痛などがある際はウイルス性である可能性は高いと言えます。
ウイルス性と一言で言っても何種類か存在します。
ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、サッポロウイルス、アストロウイルス、エンテロウイルス、B型インフルエンザウイルスなど。
今回はこの中でも代表的な3つのウイルスについて、それぞれ特徴を見ていきます。
ノロウイルス
今では有名なこのノロウイルスは赤ちゃんからお年寄りまでの幅広い年齢層がかかるので、集団感染の恐れもあり十分な注意が必要となってきます。このウイルスの症状は、腹痛・下痢・吐き気・嘔吐・発熱・脱水症状が挙げられます。流行時期は秋の終わり頃~冬の中頃までで、発症期間は1~2日間ほどで治まります。
ロタウイルス
このロタウイルスは母親であればご存じとは思いますが、乳幼児が最も感染しやすく5歳くらいまでは感染する恐れがあります。このウイルスの症状はノロウイルスと似ていますが、順序的に吐き気・嘔吐→腹痛・下痢(脱水)、または吐き気・嘔吐→頭痛・発熱といった流れになります。流行時期は冬の中頃~春先までで、発症期間は1~2週間という長期間におよびます。
※ここでの注意点としては、このロタウイルスは子供だけが発症するのではなく大人でも感染します。その場合の特徴として排泄した下痢が白っぽくなりますが子供ほどの重症にはなりません。
アデノウイルス
アデノウイルスもロタウイルスに似ていて、最も感染しやすい年齢は乳幼児から小学生くらいまでの子供が感染します。このウイルスは他の症状とは少し違い、胃腸炎のみではなく喉(咽頭炎)・眼(結膜炎)・発熱(高熱)を発症するところが特徴です。流行時期は基本一年通じてですが夏の発症率が高く、発症期間は5日間ほどの発熱などが続いた後に一週間ほどで回復します。
アデノウイルスの実体験はこちらに詳しく書いていますので、参考にしてください。
アデノウイルスの大人の症状と潜伏期間〜プール熱の頭痛や目の治療法〜
ウイルス性胃腸炎の原因・感染経路
ここではウイルス性胃腸炎の原因とも言える感染経路と予防について見ていきます。
ノロウイルス
ノロウイルスの感染経路は、経口感染といって口から入ることで感染します。便や嘔吐物を触れた手からやそれらが乾燥した時の空気感染であったり、くしゃみなどによる飛沫(ひまつ)感染などが挙げられます。飲食については牡蠣(かき)などの二枚貝や井戸水を飲まない・食べないことが重要ですが、調理時も感染者の手から食べ物等に感染するので、飲食時・調理時は消毒の徹底が不可欠となってきます。
ロタウイルス
ロタウイルスは増殖力が強いウイルスであり、なおかつ微量でも感染するほどの力があります。感染経路についても経口感染であり、対象年齢(0~5歳)のお子様がいる家庭では注意が必要です。例えば、期間中はオムツの交換時は手袋をしたり、お子様がトイレに行った際には必ず除菌するなどの工夫が必要になります。
※このロタウイルスはワクチンがあるため、小児科などで受診すれば事前に予防できます。
アデノウイルス
アデノウイルスはプール熱を発症する原因とも言われているだけあって、水・飛沫(ひまつ)・目ヤニ・便・接触などの感染経路があります。感染を予防するには、マスクの常備や手洗い・うがいの徹底とタオルやハンカチを借りるなど同じ物を使わないことです。ロタウイルスと同じく子供が感染しやすいウイルスとは言え、疲れていて体力が低下している大人も感染するウイルスと言えます。
感染予防のための基本は手洗いとうがいですが、手洗いの際に特に注意していただきたい点が水道の蛇口です。はじめはウイルスがある状態かもしれないので、手洗いした石けんまたはハンドソープでその蛇口も洗うようにしましょう。
ウイルス性胃腸炎の潜伏期間・治療法
ここでは潜伏期間と治療法について見ていきます。
潜伏期間
まず潜伏期間についてですが、その前に『潜伏期間』とはどういうものかについて触れておきます。
潜伏期間とは感染してから病気(ここでは嘔吐・下痢など)を発症するまでの体内に潜んでいる期間のことです。インフルエンザなどのウイルスが感染するタイミングとしては、この期間が最も多いと言われていますが、胃腸炎の場合はすでにご説明した通りです。
ノロウイルス
潜伏期間は1~2日で発症しますが、次の感染者を増やさないためにも発症日から1週間程度は注意が必要となってきます。
ロタウイルス
潜伏期間は1~2日で発症しますが、ロタウイルスの場合は他のウイルスとは違いなかなか完治しないことが多いので、常に感染者を増やさないようにしなければなりません。
アデノウイルス
潜伏期間は5~7日で発症しますが、次の感染者を増やさないためにも発症日から2週間程度は注意が必要となってきます。
治療法
ウイルス性胃腸炎の治療法について、主な症状が同じということで治療もどの種類であっても同じ対処となります。
主な症状が嘔吐や下痢ということで、脱水症状になる可能性が高くなります。
そのため、水分補給を欠かさず安静にしておくことが最も重要になってきます。この時にしっかり水分補給できないようであれば、電解質飲料や白湯(病院であれば点滴)なども検討してください。
ウイルス性胃腸炎に感染しないための対策についてはこちらの動画をご覧ください。
なお、胃腸炎の際の食べ物や飲み物についてはこちらの記事に詳しくまとめています。
胃腸炎の症状は食事で改善する〜急性胃腸炎の原因と食べ物について〜
※こちらの記事には胃腸炎の時に良い食べ物・飲み物(発症時と回復時)とダメな食べ物・飲み物をまとめていますので、治療法として十分に参考になると思います。
胃腸やお腹など消化器官が気になる方はこちらの記事を参考にしてください。
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まとめ
ウイルス性胃腸炎の症状・原因・治療について見てきました。
まとめると以下の通りになります。
・ウイルス性胃腸炎は主に3種類に分類され、冬季に感染しやすく発熱がある場合はそのサインと言える
・ウイルス性胃腸炎の感染経路は、経口感染や飛沫感染が多いので手洗い・うがいの徹底が不可欠
・ウイルス性胃腸炎の治療法については、これといったものが存在しないが脱水症状や飲食物から気をつける
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