
胃もたれになると、病気の時ほどまではいかなかくても食べたい物が食べられなかったり不快感が続いたりと、早く治したいと思います。
今回は、その胃もたれの症状・原因・解消法について詳しくまとめましたので、自分のケースに合わせて対応してみてください。
目次
胃もたれの症状
まず胃もたれの症状について見ていきます。
本来であれば、胃酸により消化された食べ物が胃から次の臓器となる十二指腸へと流れます。しかし食べた物が消化不良を起こすと、十二指腸にまで届かずに胃の中に留まって胃もたれを発症させます。
胃もたれの主な症状としては、次の通りです。
胃のむかつき、食欲不振、消化不良、痛み、腹部膨満感(お腹の張り)、重い感じ、吐き気、げっぷなど
似たような症状として胸やけがありますが、胸やけの場合は胃の上部や食道に胃酸が戻ることで、その辺りが焼けるように熱くなる症状です。この場合は、胃に異常があるというよりも食道が炎症を起こす逆流性食道炎の可能性があります。
逆流性食道炎については、こちらに詳しくまとめています。
逆流性食道炎の症状と原因について〜効果的な食事や薬による治療〜
胃もたれの原因
次に原因について見ていきます。
胃もたれの症状を見ておわかりかと思いますが、様々な症状があります。その症状により原因も違ってきますので、自分の症状がどれに当てはまるのかを参考にしてください。
食事
近年になって様々な病気の原因とされているのが日本人の『欧米食化』ですね。この欧米食がなぜ胃もたれを発症させるのかというと、肉類やスナック菓子などの油分や脂質の多い食べ物というのは胃酸を過剰に分泌させてしまい、胃もたれの原因となります。
不規則な生活
食事を摂る時間が毎日違ったり、寝る直前に消化しにくいものを食べたり、暴飲暴食・睡眠不足などなど規則正しい生活をしていないと胃もたれの原因となります。生活習慣病にもなりかねないので気をつける必要があります。
加齢
若いうちは臓器も元気なので、胃のぜん動運動という機能も活発に動き消化するのも早いですが、年齢を重ねるにつれてその働きも低下します。それにより、胃の中で消化しきれなかったものが溜まり胃もたれの原因となります。
運動不足
普段からの運動量が少なければ食べ物の消化が遅く、エネルギーとして消費しないことはご存じだと思います。寝ている時ほどではありませんが、やはり運動=胃の運動ということになります。運動不足と同時に、悪い姿勢も胃腸に負担を与えて胃もたれの原因となります。
胃酸の出過ぎ
胃酸の出過ぎというとイメージできるのは胃腸炎や逆流性食道炎ですが、これらは胃から上へ向かって戻されていくことで発症しますが、胃もたれの場合はこれの逆を意味します。胃で消化しきれなかったものが腸へ届くと腸は胃ほどの消化力はないため、次に胃から腸へ送られる働きを止めようとします。
風邪
風邪の時にも当然ながら胃に負担のかかるものは食べれませんね。胃腸風邪という症状もあるほどですが、発熱だけでなく腹痛や吐き気・嘔吐にまで及びます。また風邪薬なども胃に負担をかけるので、病院では胃薬も一緒に処方されるほどです。胃もたれと発熱がある場合には、風邪の疑いもあります。
ストレス
ストレスというと精神的・身体的な病ですが、そのストレスを感じさせる機能に自律神経というものがあります。普段、自律神経は交感神経と副交感神経をバランスよく保っていますが、ストレスを感じることでこのバランスが乱れて自律神経と密接な関係にある胃に影響を与えることになります。
機能性ディスペプシア
原因不明の胃痛・胃もたれのことを言います。胃に不快感を覚えるが、内視鏡による検査などでは病名を特定できない時にこう呼ばれます。機能性ディスペプシアについて、若年層は痛みを感じますが中高年層になると腹部膨満感や胃もたれを感じます。
胃もたれの解消法
胃もたれの解消について、どんな方法があるのかを見ていきます。
解消法の基本としては、原因に対して逆のことをすれば良いという認識で大丈夫です。
その中でも具体的に何をすれば良いか、代表的なことについて触れておきます。
食べ物
胃に良い食べ物は、こちらの記事に詳しく書いていますのでご覧ください。
食べて良い物とダメな物について具体的に触れていますので、お役に立つと思います。
胃腸炎の症状は食事で改善する〜急性胃腸炎の原因と食べ物について〜
ヨーグルト
食べ物の中でも特筆しておきたいのが、ヨーグルトの存在です。ヨーグルトというと、風邪や花粉症などのアレルギーに対して効果があることは有名な話です。その背景には乳酸菌によって腸内細菌が整えられることと、食べた後の経路である食道や胃に粘膜を張って保護してくれるという、主に2つの理由があります。毎日もしくは定期的に食べる(または飲む)ことによって胃もたれを防ぎましょう。温めて食べると胃への負担も軽くなります。
こちらの『ちょーぐると』は日本人のために作られたヨーグルトです。
ツボ
胃もたれが起きた時に即効性のある対処としては、ツボを押すことが挙げられます。耳のツボを刺激する『胃点(いてん)』、手首のやや下辺りを刺激する『内関(ないかん)』、みぞおち辺りを刺激する『中脘(ちゅうかん)』、ひざのやや下辺りを刺激する『足三里(あしさんり)』、腰あたりを刺激する『胃兪(いゆ)』、ひざ下の外側辺りをを刺激する『陽陵泉(ようりょうせん)』、手の外側を刺激する『合谷(ごうこく)』などが効果的です。
こちらの動画で実際のやり方をご覧ください。
薬
胃薬(市販薬)は真っ先に頼りたい解消法と言えますが、今の症状はどの薬が最適なのか間違えないように選びたいものですね。朝起きた時の胃もたれには『セルベール整胃錠』『大正漢方胃腸薬』、食後の胃もたれには『新キャベ2コーワ』『大田胃酸A』、胃痛をともなう胃もたれには『スクラート胃腸薬』『第一三共胃腸薬グリーン』、胃酸が出過ぎて胸やけ・胃もたれには『サクロン』『新センロック』が症状別の代表的な胃薬です。
ストレス発散
胃とストレスが密接な関係であることは原因のところでお伝えしましたが、その解消には様々あります。こちらの記事にストレスとの関係だけでなく、色んな解消法について書いていますのでご覧ください。
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寝る姿勢
食べた後すぐに横になることはオススメできませんが、どうしても横になりたい場合などのために参考にしてください。体内の仕組みとして、胃から十二指腸に流れる向きが右側になっています。それを踏まえて横になる際はあお向けやうつ伏せで寝るのではなく、右を向いた状態(右腕を下にした寝かた)を意識してください。寝る姿勢を気をつけるだけで消化を助けてくれます。
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まとめ
以上、胃もたれの症状・原因・解消法について見てきました。
まとめると以下の通りになります。
・胃もたれは消化不良となり、食べた物が胃に残るので『むかつき』『げっぷ』『お腹の張り』のなどの症状が現れる
・胃もたれの原因には、食事や年齢の影響もあるが、運動不足やストレスなどの生活習慣病・現代病などが挙げられる
・胃もたれの解消法は、原因の改善とともに食べ物を中心にその症状によって即効性のある解消法を試してみる
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