
尿検査の項目や尿蛋白を下げる食事についてまとめました。
健康診断の尿検査と言えば検尿をイメージすると思いますが、一体何を調べているのか気になったことはありませんか?
尿検査にはしっかりとした意味があります。
この記事を読んで、尿検査の色々な項目や腎臓に良い食べ物と飲み物を参考にしてください。
目次
尿検査の項目
尿検査の項目に入る前に、尿がどのように作られているのかについて簡単にご説明しておきます。
私たちが食事をすると、その栄養は腸を通って酸素とともに血液に変わりますが、その血液は腎臓へと流れていきます。腎臓ではその血液をろ過(溶かす・分解するといった解釈)して体にとって必要なものとそうでないものと分けます。そして、尿として出される成分は尿管を通って膀胱へと届き、尿道から排泄されます。
この流れを把握しているのとしていないのとでは、これからお伝えすることへの理解度が変わってきます。
では本題に入りますが、代表的な尿検査の項目について見ていきます。
尿蛋白(にょうたんぱく)
この検査では、その名の通り尿に蛋白=たんぱく質が含まれていないかを確認するわけですが、正常であれば尿に多くの蛋白は含まれないので、必要以上に多かった場合に陽性となり再検査の対象となります。尿蛋白の判断基準となる数値は、陰性15mg/dl以下(-)・擬陽性15~29mg/dl(±)・陽性30~99mg/dl(+)・陽性100mg/dl~(+2)とあります。陰性以外は全て再検査になりますが、食事や運動などによって変動していることもあるので陽性であっても問題がないこともあります。陽性の時は腎臓に疾患があることを示しますが、蛋白以外に赤血球も見られる場合に腎臓病を疑われますので、恐れず再検査を受けるようにしましょう。
尿糖(にょうとう)
こちらも尿に糖があるかどうかを調べるわけですが、正常であれば尿に多くの糖は含まれません。それは腎臓の中にある尿細管(にょうさいかん)というところで糖を必要なものとして再吸収してくれるからです。尿蛋白同様に陽性と診断されれば再検査の対象となります。
尿ウロビリノーゲン
こちらの検査は、肝臓や胆嚢(たんのう)に異常がないかを診断します。ウロビリノーゲンとは古くなった赤血球やコレステロールなどが肝臓でビリルビンになり腸内細菌で生成される物質のことを言います。その物質の約20%が再びビリルビンになり、その一部が尿として排泄されるので正常値は擬陽性(±)とされています。
尿潜血(にょうせんけつ)
尿の中に血液が多く混じっていないかを確認する検査です。健康体の人の尿であっても血液は混じっています(肉眼では確認できません)が、その量が多いと腎臓や膀胱・尿管・尿道などに異常がある診断されるので結果が陽性の場合は再検査の対象となります。
尿比重(にょうひじゅう)
尿の中に含まれている水分以外の成分(尿素や塩化ナトリウム、老廃物など)がバランスよく排泄されているかを確認する検査です。尿は水分と一緒に老廃物などを一緒に排泄してくれますが、その濃度を調節しているのが腎臓の働きです。正常値は1.010~1.030とされているのでそれ以下でもそれ以上でも再検査対象となります。
尿pH
pHとは水素イオン濃度のことで、尿が酸性かアルカリ性かを確認する検査です。健康体の人は弱酸性で、基準値6.5前後と診断されます。6.0以下は酸性尿で糖尿病や痛風になる可能性があり、7.5以上になると尿路感染症や嘔吐・過呼吸になります。酸性の場合は野菜や海藻類、アルカリ性の場合は肉類が適しています。
尿沈渣(にょうちんさ)
尿を遠心分離器にかけて沈殿してきた赤血球や白血球などの成分を顕微鏡で確認する検査です。腎臓でつくられる尿ですが、排泄されるまでの尿路や膀胱に混入物などがないか確認して、腎臓や尿路に関する病気を早期発見します。この検査は尿蛋白・尿糖・尿潜血で陽性が出た場合にのみ行われます。
腎臓に良い食べ物と飲み物
尿と腎臓が深い関係にあることや、尿検査の項目内容によって腎臓をいたわるべきということもわかっていただけたと思います。また尿蛋白が正常値でなければ腎臓に異常があることもわかっていただけと思います。
ここでは、その尿蛋白を下げる=腎臓にとって良い食べ物を見ていきます。
具体的な食べ物を見ていく前に、腎臓にとって良い栄養についても触れておきます。
腎臓にとって良い栄養素は、ズバリ言うと『オルニチン』と『カリウム』です。
オルニチンは肝臓に良いイメージですが、腎臓にとっても良い栄養素と言えます。
通常、肝臓は毒素のあるアンモニアを解毒してから各臓器を経由して腎臓までは届かせ尿素に変えるのですが、肝臓の機能が低下していると解毒できないまま腎臓まで届くことになります。
しかし、オルニチンを摂取していれば肝臓も腎臓の機能も低下させることなく元気な状態でいられます。
次にカリウムですが、これの特長は『利尿作用』があるということです。
カリウムは塩分の吸収を抑えて腎臓への負担を軽くしてくれる作用があります。
ただ、こちらの場合は腎臓病やすでに腎臓に関する疾患になってしまっている方にとっては摂取量を調整しなければ体にとって有害になります。
腎臓に関する病気を患っている方は病院からの指示に従って食事をしましょう。
これらを踏まえて腎臓にとって良い食べ物と飲み物=オルニチンやカリウムの多い食べ物と飲み物を見ていきましょう。
腎臓に良い食べ物
オルニチンの多い食べ物(100gあたり)
シジミ:約10~15mg
えのきだけ:約14mg
チーズ:約1~8mg
キハダマグロ:約2~7mg
ヒラメ:約1~4mg
これら以外にも特筆すべき食べ物が『本しめじ』の存在です。
オルニチンというとシジミのイメージがありますが、この本しめじはシジミの約6倍ものオルニチンが含まれていることが判明しています。上記のシジミ100g=35個に対して、シジミ700個にも相当すると言われています。
というわけで、本しめじが気になる方はこちらをどうぞ。
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カリウムの多い食べ物
ザーサイ:680mg(80g)
きゅうりのぬか漬け:610mg(85g)
バナナ:540mg(1本150g)
ひじき:510g(90g)
枝豆:490mg(25g)
ほうれん草:490mg(210g)
かぼちゃ:480mg(25g)
芽キャベツ:480mg(10g)
高菜漬け:450mg(120g)
サニーレタス:410mg(20g)
参考サイト:http://vitamine.jp/minera/kari01.html
腎臓に良い飲み物
オルニチンの多い飲み物
オルニチンドリンク:1600mg(1本50ml)
ウコンとしじみ900個分のオルニチン:400mg(100ml)
Cコンク:400mg(100ml)
アミノサプリC:400mg(1本555ml)
H2O:40mg(500ml)
カリウムの多い飲み物
トマトジュース:520mg(200cc)
野菜ジュース:400mg(200cc)
豆乳:380mg(200cc)
日本茶:340mg(100ml)
バニラシェイク:270mg(S:200ml)
低脂肪乳:200mg(100ml)
飲むヨーグルト:143mg(110ml)
抹茶:135mg(1杯5g)
ココア:112g(1杯4g)
缶コーヒー:120~70mg(100ml)
参考サイト:http://www.matumoto.info/shokuhin/solt/ka-drink.html
これらのことを踏まえて、たんぱく質や塩分はもちろんカリウムも摂り過ぎることのないような食生活を心掛けましょう。
尿検査をする意味や受ける前のポイントなどもまとめてありますので、こちらの動画をご覧ください。
▼NEW!!
腎臓に関する記事はこちらにまとめていますので、あわせてご覧ください。
腎臓病の症状と原因〜アルコールやストレスによる蛋白尿やむくみとは〜
腎臓の働きを簡単に説明〜機能低下や背中の痛みの原因は尿管結石か〜
腎臓の位置と腎機能低下の症状・原因とは〜回復・改善に向けた食事〜
また、腎臓に良いカリウムやオルニチン、タウリンに関する記事も書いています。
カリウムとは何か〜むくみ・高血圧解消や筋肉収縮の効果・効能について〜
カリウム不足の症状と食事対策〜むくみ解消に効果のある食べ物とは〜
高カリウム血症の症状とは〜野菜などカリウムの多い食品を制限する〜
オルニチンの効能について〜疲労回復に効果的なアミノ酸の副作用とは〜
タウリンとは何か〜肝臓や疲労回復に効果的な食品やサプリについて〜
▼NEXT
尿検査と同じ健康診断で診られるHDL/LDLコレステロールについては、こちらの記事に詳しく書いています。
コレステロールの基準値とは〜LDLコレステロールの高い症状と原因〜
HDLコレステロールが高い時の原因とは〜善玉コレステロールの増やし方〜
尿以外にも自分の健康が気になる方は、こちらの検査キットをどうぞ。
まとめ
以上、尿検査の項目と腎臓に良い食べ物と飲み物についてみてきました。
まとめると以下の通りになります。
・尿検査には様々な種類があるが、その多くは腎臓に異常があった場合に再検査の対象となる
・尿検査の中でも尿蛋白の検査は腎臓の機能を知るための基準となるので、尿蛋白が上げない食生活をする
・尿蛋白を上げないためにはオルニチンとカリウムの栄養素が鍵を握っているが摂り過ぎには注意する
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