
前回に続き、自律神経失調症の記事を書きました。
自律神経失調症の症状などはわかっていただけたと思いますので、
なお、前回の記事(自律神経失調症の症状チェック)
自律神経失調症の症状とは〜女性の自律神経の乱れを無料でチェック〜
自律神経失調症の薬には、ほぼほぼ同じ効能の以下の2つがあります。それでは、具体的にどんな名称や特長があるのかを見ていきましょう。
目次
自律神経調整剤
自律神経調整剤は次項の抗不安薬と類似していますが、比較的穏やかな作用のため初心者向けの位置付けとしてご覧ください。
グランダキシン(成分名:トフィソパム)
このグランダキシンは、下で説明しているデパスと同じベンゾジアゼピン系の薬で、デパスと同じ効果が見込めます。
ただ、他のベンゾジアゼピン系と圧倒的に違う点として、副作用のリスクが低い分効果の方も弱いと言えます。
一回1錠を一日3回で、作用時間としては1時間弱なので他の自律神経を整える抗不安薬などでは最も短時間となります。
また、効果が弱いのともう一つのデメリットを言うと、価格面で他の同様の薬に比べて2〜3倍かかる点です。
では、どんな人に向いているかと言うと、やはりそこは自律神経調整剤ですので、自律神経失調症の方でも(重度ではなく)軽度な方に向いています。
効果に比べて安全性が高い面(眠くなりにくい等)では、同系統の薬を服用する際の入り口としてはベストチョイスになるでしょう。
ハイゼット(成分名:ガンマオーゼット、ガンマオリザノール)
このハイゼットは、上記のグランダキシン同様に副作用が少ない分効果も弱いとされています。
ただ前提として、こちらの薬は自律神経失調症"にも"効果があるとされている『コレステロール値を下げる』薬です。
具体的には、高脂質血症や神経的な部分から起こる過敏性腸症候群などの症状には向いていると言えます。
一回2錠を一日3回(食後)なのですが、ここでの使い分けとして、高脂質血症では300mg・自律神経失調症などの場合は50mgまでの用量は守ってください。
発売は古く歴史はありますが、精神的な部分での薬剤として現代ではあまり使われていないようです。
抗不安薬(精神安定剤)
抗不安薬には数えきれない程の種類が存在するので、代表的なものを紹介します。
ベンゾジアゼピン系(一般名=成分)
デパス(エチゾラム)、ソラナックス(アルプラゾラム)レキソタン(プロマゼパム)、セレナール(オキサゾラム)、セダプランコーワ(プラゼパム)etc.
ここで特別取り上げたいのは、抗不安薬(精神安定剤)の中でも最も有名で有用性の高い『デパス』について触れておきたいと思います。
なぜこの薬を取り上げるのかと言うと、デパスは抗不安薬(精神安定剤)で最もよく処方されていること・唯一国産であること・発売前まであった主流の薬と入れ替わるほどの実力があるからなんです。
それでは、そのデパスについて詳しくを見ていきましょう。
デパスの効果と副作用
デパスの効果については、大きく分けると4種類あり効果が強い順で①不安を減らして②肩こりなど筋肉の緊張を解き③精神が安定して眠くなり④痙攣(けいれん)を予防してくれます。
また副作用には、上記の効果にもあるように眠気があるので車の運転などは控えなければいけません。
その影響によるダルさやめまいが起こるのと、皮膚などには発疹などが現れます。
また依存症なりやすい薬でもあるので、その場合には止めた途端に不眠や集中力散漫など精神的に落ち着かないといった内面的な部分と、頭痛や目の症状(かゆみ、乾燥など)や痙攣と外面的にも発症します。
デパスの使い方と持続時間
デパスの使い方ついて、1日の目安3mgとして服用してください。
1回の服用では錠剤により異なりますが、0.25mg・0.5mg・1mg(体格や年齢などの個人差もありますが)を基準にしてください。
1日3回を考えれば、0.5mg〜1mgをバランスよく服用すると良いですね。
服用するタイミングですが、当然神経に作用する薬なので、これから緊張するだろうという時やイライラ・不安で落ち着かない時などに必要量だけ服用してください。
また、これだけは勘違いしないようにしていただきたいですが、この薬はあくまで自立するためのものでもあります。
精神的に弱い方のためのリハビリ的な役割をするので、いずれは一人立ちするためにも過剰量は控え、必ず次の服用まで6〜8時間は空けましょう。
持続時間について、服用して約10〜30分ほどで効き始め約6時間ほど効果が続きます。
同じ抗不安薬の中でも短い方ではありますが、強度は強い方と言えます。
デパスの仕組みと注意点
デパスの仕組みについて、ここでは理解できるよう簡単にご説明します。
デパスを飲むとベンゾジアゼピン受容体に結合され、ご存知の方も多いGABAというアミノ酸の成分が作用します。
GABA受容体も元々私たちの脳内に存在するので、それが結合されることで興奮した神経をリラックスさせてくれるというわけですね。
またこの薬の注意点として、併用NGの薬があるので取り上げておきます。
リトナビル:これは呼吸困難になる恐れがあるので要注意です。
フルボキサミンマレイン酸:代謝率が悪くなり、血中濃度も上がります。
モノアミン酸化酵素阻害薬:けいれんや発作など興奮状態になります。
中枢神経抑制剤:血圧が下がったり、意識がもうろうとします。
この他にも、抗生物質のシプロフロキサシン、胃酸抑制剤のシメチジンとオメプラゾールなども副作用の危険性があります。
また薬以外では、デパス服用時の飲酒も避けてください。なぜならお酒も精神をリラックスさせるため、それが過剰に合わさって酒乱になってしまう可能性が高いです。
周りの人に迷惑をかけないよう、服用時にお誘いがあっても禁酒を心掛けてください。
抗不安薬には上記で挙げたベンゾジアゼピン系以外にも、ほぼ同じ作用ではありますが持続性が短いチエノジアゼピン系やセロトニンを増やすアザピロン系などがあります。
また依存症等の副作用が少ない分、効果の弱いセロトニン作動性(一般名:リフレックス、レメロン、セディール)もあります。
ここであえて絞り込んだのは、マイナーなものよりもメジャーで代表的なものを扱うことの方がリスクが少なく、安心して服用できるからです。
浅く広い知識よりも、狭くても深い知識を得ておいた方が良いこともありますので、ご理解ください。
自律神経失調症に関する内容はこちらの記事にも詳しく書いています。
自律神経失調症の治し方・改善法とは〜漢方薬とサプリメントで対策〜
自律神経失調症の症状とは〜女性の自律神経の乱れを無料でチェック〜
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女性の方でしたら貧血なども気になると思いますので、こちらの記事も是非参考にしてください。
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まとめ
以上、自律神経失調症の治療に向けた薬について見てきましたが、まとめると以下の通りです。
・自律神経失調症の薬には自律神経調整剤と抗不安薬があるが、ビギナーは効果的に低いが副作用も少ない自律神経調整剤がオススメ
・抗不安薬の代表的な薬としてはデパス錠が有名であり、短時間であるものの効果や副作用の格差が少なく比較的バランスが取れている
・自律神経調整剤や抗不安薬はあくまで対症療法であるので、それを忘れず薬に依存することない独自の改善法を考えることが重要
また、自律神経失調症は薬だけで治るものではないことを十分に留意しておいてください。本当に治すためには薬の投与と同時に、病院の医師からのアドバイスを納得して精神的な治療が必要になってきます。
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