
何だか最近背中が痛む…なんてことはありませんか。
背中の痛み、ということで初めに思い浮かぶのは肩や背中のコリです。
しかし、背中の痛みには内臓の病気が疑われる場合もあるので要注意です。
背中の左側が痛い場合は膵炎、膵臓がん、右側が痛い場合は肝炎、肝臓がんが疑われます。
背中の左の痛みの原因~膵炎~
背中の左側が痛い場合は膵炎、膵臓がんが疑われます。
年々増えてきている膵炎は主に男性に多い病気です。
膵炎は主にの左側や、脇腹から左わき腹の上あたりが痛みます。
膵臓は普段十二指腸の消化を手助けする膵液を分泌していますが、膵臓が正常に働いている場合は膵液も何も問題なく分泌されるのですが、膵臓に問題が発生しうまく膵液が分泌されなくなった場合に、膵臓が自分で自分を消化してしまうという現象が膵炎です。
膵炎には急性膵炎、慢性膵炎の2種類があります。
急性膵炎
膵炎の多くはアルコールが原因で起こります。
アルコールを大量に摂取することを続けたり、体調がすぐれないときにアルコールを摂取した場合に起こります。
アルコールの摂取を続けていると、膵液の分泌を過剰にしてしまうのです。
また、アルコールを分解するときに発生する物質が直接膵臓にダメージを与えてしまい、膵炎になる場合もあります。
他にも胆石が原因で起こる急性膵炎もあります。
これは、胆石が膵液の出口を塞いでしまったことにより起こります。
急性膵炎にかかるとまずお腹の上あたりに痛みを感じます。
痛みは我慢出来ないほどの激しいものから、軽度のものまで痛みの程度は人によってさまざま。
腹部の痛みの次に多いのが嘔吐と吐き気で、他にも食欲不振などの症状が現れる人もいます。
慢性膵炎
急性膵炎を何度も繰り返すことにより起こります。
急性膵炎によって膵臓の消化が進んでしまい、炎症が慢性化することにより膵臓が固く(石灰化や繊維化)なってしまいます。
慢性膵炎も急性膵炎と同じく、高齢の男性に多くみられる病気です。
原因も急性膵炎と同じく、アルコールが一番多く次いで胆石となっていますが、一部原因不明の人もいます。
膵炎について
膵臓がんの初期症状をチェック
背中の左側が痛い場合に潜んでいるもうひとつの病気が膵臓がんです。
膵臓がんは男性に多く、外分泌系と内分泌系の2種類に分けられる中でも外分泌系が最も多いのという統計も出ています。
膵臓は沈黙の臓器とも言われることから、膵臓がんの初期の症状はあまり感じられないことが多く、発見が難しいがんのひとつです。
背中以外の膵臓がんの症状は以下の通りです。
・お腹の痛み(胃のあたり)
・目や顔が黄色くなる(黄疸)
・体重が減る
・糖尿病が酷くなる
・食欲がなくなる
・血糖値の上昇(糖尿病に限らず)
膵臓がんの症状は一時的なものが多く、良くなってからもう一度症状が現れ、その際に病院を受診して発見されることが多いです。
膵臓がんの発症を高めるとされている原因は、遺伝(5~10%の膵臓がんは遺伝によって発症する)、糖尿病、慢性膵炎などの合併疾患。
糖尿病や慢性膵炎の患者はその他の人よりもその他、喫煙、肥満、飲酒、食生活などの生活習慣の乱れから膵臓がんの発症リスクが上がります。
▼こちらの記事も一緒にご覧ください。
膵臓の場所と働きについて〜背中側に位置する膵臓の図とその機能とは〜
急性膵炎の症状と原因について〜膵臓に良い食事の対策・治療法とは〜
初期症状が分かりにくいからこそ些細な変化を見逃さないようにしよう
症状が分かりにくく早期発見が難しい膵臓がんですが、血糖値が上がる、体重が減少するなどの体のサインを見逃さないことが重要です。
また膵臓の治療方法はステージによっての変化はありますが、外科手術、抗がん剤治療、放射線治療などがありますので、自分に合った治療法を選び適切な治療を受けることが大切です。
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