
近年、増え続けている急性膵炎の患者ですが、主に男性の高齢者に多い病気とされています。
急性膵炎とは膵臓が正常に機能しなくなる病気です。
膵臓の横にある十二指腸は胃から運ばれた食べ物をさらに細かく消化する役割を担っています。
この時、十二指腸での消化を手助けするのが膵臓から分必される膵液です。
膵液は膵臓が正常に働いているときは問題なく分泌されるのですが、膵臓が何らかの原因によりうまく機能しなくなった際に膵液によって自分で自分を消化してしまうのが急性膵炎です。
この現象が起こると、膵臓の組織が機能しない・出血などの炎症が起こるのです。
膵臓が炎症を起こすと、他の臓器に悪影響を及ぼす液体が血液を介して流れ込み、それが流れ込んだ臓器は機能が低下してしまいます。
急性膵炎の症状・原因について
まず急性膵炎の主な原因は下記の通りです。
アルコール
急性膵炎の原因の中で飲酒が一番多いとされています。
長年飲酒を続けていると、アルコールが膵液の分泌を過剰にして急性膵炎を発症します。
その他にも、アルコールを分解する際に発生する物質が膵臓を破壊すると言われています。
胆石
アルコールに次いで多い原因が胆石です。
肝臓で何らかの原因により胆石が発生し、胆管を通り膵臓まで移動すると、膵液が分泌される入り口を塞いでしまい膵臓が炎症を起こして急性膵炎を発症するのです。
原因不明
急性膵炎の多くの原因はアルコールと胆石と言われていますが、原因が判明しない急性膵炎も珍しくはありません。
そして急性膵炎の症状については、まず背中の左側や腰、腹部に痛みを感じます。
特にみぞおちに激しい痛みを感じることが多いですが、病院で痛みの部位を特定できないこともあります。
また、嘔吐や吐き気を伴うこともあり、吐いても痛みが軽減することはありません。
その他にも、食欲の低下や、お腹の張り、発熱などの症状が現れることがあります。
また急性膵炎は重症化すると命に危険を及ぼすこともあるので注意が必要です。
急性膵炎の食事の対策・治療法
急性膵炎の治療は第一に絶食絶飲を行い、膵臓を十分に休めることです。
胆石が原因の場合は、同時に胆石の除去を行うことも必要となります。
急性膵炎の膵臓は炎症により大量の水分が失われている状態なので、病院では大量の輸液の投与が行われます。
その後症状が安定してきたら、少しずつ膵臓への負担が軽いものから食べ始め、その後食事療法を開始します。
食事療法では脂質を制限して、臓器の回復に必要なたんぱく質も適度にとるようにします。
その際は、膵臓への負担の大きな動物性タンパク質は避けて、植物性タンパク質(豆腐などの大豆製品)から摂取するようにし、徐々に魚などの脂質の少ない食べ物から動物性タンパク質に移行するようにしてください。
また消化の良い食事を心掛けるようにするとよいでしょう。
膵炎の再発の原因で多いのがアルコールです。
再発のリスクを高めないためにも禁酒は必ず行うようにしましょう。
またアルコールの他にも紅茶やコーヒーなどのカフェインが多く含まれた飲料も避けるようにしましょう。
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何度も繰り返すと慢性膵炎のリスクが急上昇します
膵臓へのダメージによって発症する急性膵炎ですが、適切な治療を行うことによって完治することが出来ます。
ですが、急性膵炎を何度も繰り返すと、慢性膵炎に掛かるリスクが高まってしまいます。
慢性膵炎になると完治は難しくなり一生付き合っていかなければなりません。
慢性膵炎にならないためにも、急性膵炎を発症したら早急に病院を受診し、適切な治療を行って、その後も、正しい食事療法を行い再発の防止に努めるようにしましょう。
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