
むくみが酷い人や、飲酒が多い人、高血圧の人などが摂取を進められるカリウム。
それでは、なぜむくみが酷い人や高血圧の人にはカリウムが必要なのでしょうか?
目次
カリウムとはいったい何?
体がむくみやすい年配の女性が意識的に摂取するようにしているカリウム。
そんなカリウムとはいったいどのようなものなのでしょうか?
カリウムは多量ミネラルの種類の一つとして細胞内体液の中に主に存在しています。
多量ミネラルとは体内に含まれる必須ミネラルの16種類の内の7種類(カリウム、カルシウム、ナトリウム、硫黄、塩素、マグネシウム、リン)のことを言います。
一日の必要摂取容量が100mg以上のミネラルで、必要摂取容量が多いという事は必然的に体内に含まれる量も多くなってきます。
(100mg以下のミネラルは微量ミネラルになる)
カリウムは人体に必要な電解質で、脳や神経での情報伝達に非常に重要な役割を担っています。
電解質とは水に溶けるとイオンになる物質のことを指し、その水に溶けた際に陽と陰に分かれます。
カリウムは陽イオンに分類され、ナトリウムと一緒になって体液の浸透圧や酸塩基平衡(さんえんきへいこう)の維持を担っています。
他にも心臓や筋肉、神経が働く際において重要な役割をしています。
心臓の働きに作用しているとは、まさに人が生きていくために必要不可欠なカリウム。
利尿のみに作用している物質だと思っていたら、心臓や筋肉、神経にまで作用しているとは驚きでしたね。
カリウムを摂取するとどのような効果が得られるの?
カリウムはスイカやキュウリ、ほかにもじゃがいもや牛乳などさまざまなものに含まれています。
カリウムが体にとって重要な栄養素であることは理解しましたが、カリウムを摂取することによって得られる効果はどのようなものがあるのでしょうか?
むくみ解消
むくみ解消に効果があるカリウム。
体内に過剰に塩分を取り込むと、その塩分を薄めようとして体は水分をため込み始めます。
その結果、体がむくむのです。
カリウムには利尿効果がありますので、摂取すると体内にため込んだ水分を塩分と一緒に体外に排出してくれるのです。
果物のスイカや野菜のキュウリはむくみに効果的な食材で有名ですが、それはスイカやキュウリにカリウムが多く含まれているからなんですね。
高血圧の解消
高血圧解消は上記に書いたむくみの解消とよく似ているのですが、高血圧の人の血圧が上がる理由の一つに塩分の取りすぎがあります。
高血圧の人が塩分コントロールの食事をしているのはこのためですね。
カリウムには体内に留まった塩分を水分と一緒に体外に排出する効果あるので、高血圧の解消に結びつくのです。
利尿効果
水分とともに行動することが多い体内中に存在するナトリウム。
ナトリウムと水分量の吸収量は比例しますので、カリウムがナトリウムに働きかけて吸収を邪魔してしまえば、おのずと水分の吸収量も悪くなります。
その結果、尿として排出されるのです。これがカリウムと利尿の仕組みです。
筋肉の伸び縮みの調整
カリウムはナトリウムと一緒に働くことにより、筋肉の伸び縮みを制御する電気信号の役割をしています。
カリウムが不足すると筋肉量の低下のほかに、脱力感などがあり酷くなると不整脈や呼吸困難を引き起こすので注意です。
夏場に汗を多量にかくと夏バテになるのは、体内のカリウムが汗と一緒に流れてしまうことが原因。
また、カリウムは筋肉に作用するので摂取すると筋トレにも効果的だと言われています。
筋トレの合間に摂取するのであれば、上質な脂質も一緒に取ることが出来るアーモンドやピスタチオがおすすめです。
神経細胞の刺激の伝達
カリウムは細胞内に多く含まれるため、筋肉の他にも神経にも作用しているのです。
カリウムが不足するとイライラすることが多くなります。
また意識混濁や昏迷などの意識障害がおこることもあります。
カリウムを多く含んでいることで有名なバナナについては、こちらに詳しく書いています。
バナナのカロリー・栄養・糖質~ダイエットにも効果のある成分とは~
むくみを予防しよう!きゅうりとしめじのマヨつゆ和え
カリウムに関する記事はこちらにも書いてますので、あわせてご覧ください。
カリウム不足の症状と食事対策〜むくみ解消に効果のある食べ物とは〜
高カリウム血症の症状とは〜野菜などカリウムの多い食品を制限する〜
また、カリウムに関係する腎臓などの記事もこちらにあります。
腎臓の位置と腎機能低下の症状・原因とは〜回復・改善に向けた食事〜
尿検査の項目や尿蛋白を下げる食事とは〜腎臓に良い食べ物と飲み物〜
高血圧の症状・原因・食事療法について~血圧を下げる食べ物とは~
人体が存在していくうえで必要なカリウムですが…
人が生きていく上でとても必要な存在だと分かったカリウム。
カリウムを含む食材を積極的に取り入れるには調理方法に注意が必要です。
カリウムは水に溶けだしやすい性質を持っているので、生で食べる生野菜などは長時間水にさらさないように注意しましょう。
また火を通して食べるジャガイモなどは、スープなどにして食べると溶け出したカリウムも一緒に食べることが出来るので試してみてはいかがでしょうか。
カリウムは過剰に摂取しても、不要な分は尿などと一緒に体外に排出されますので特に摂取制限などはありませんが、
腎臓などに問題を抱えていると、カリウムの排出が上手くいかずに高カリウム血症などの心配がありますので注意が必要です。
他にもサプリメントなどでカリウムを摂取すると排出が追い付かないこともありますのでサプリメントの摂取量には気を付けましょう。
どうしてもサプリメントが必要なとき以外は、なるべく食事から摂取するように心がけると、カリウム以外のさまざまな栄養素も取ることが出来るのでおすすめですよ。
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