
昔からの風習からすると、風邪の時にお風呂に入ってはいけないと思いがちですよね。
しかし現代では、実は症状が軽い場合だとむしろお風呂に入ったほうが快方に向かいやすいと言われるようになりました。私の周りにも少しずつ「風邪をひいていてもお風呂に入る」という人が増えてきたり、私自身も症状がだいぶ落ち着いてきたらお風呂に入るようにしています。
熱が出ると寝たきりになり汗もかくので、入浴することによってさっぱりして良いリフレッシュにもなりますよね。また、お風呂に入ることによって保湿され、症状の改善にも一役かってくれているようです。
さて、「お風呂に入る」と言えば湯舟につかることをイメージする方が多いとは思いますが、他にもシャワーを浴びたり、サウナに入ったりする方法がありますよね!
お風呂とシャワー、サウナ…どの方法が最も風邪に効果があるのでしょうか。
それぞれの特徴と風邪への効果を比較していきましょう!
目次
お風呂とシャワーの違いや効果
お湯をはって湯舟につかって頭から足を洗って…というお風呂に比べ、シャワーだと簡単に入浴できますよね。普段はシャワーで済ませるという人も多いのではないでしょうか。
そもそも湯舟につかるという習慣は日本でないと当たり前ではありません。海外に行くとシャワールームはあれどなかなかバスタブ付きの浴室は見つからないほどです。
湯舟に浸かるにしろシャワーを浴びるにしろ、身体を温めることによって免疫が上がり症状の改善につながり、リラックス効果が期待でき、じっくり就寝できるようになるでしょう。また保湿もできるので、鼻づまりや喉の痛みなどの症状には特に効果が期待できます。
そんな手軽な入浴方法であるシャワー。
風邪の時の入浴方法としてはふさわしいのでしょうか。
風邪の時にシャワーを浴びるメリット
・思いついたときにすぐ入れる
・短時間で入ることができる
・身体の汚れや汗をさっと流すことができる
・短時間で済むので体力があまり消耗されない
風邪の時にシャワーを浴びるデメリット
・お風呂に比べて身体が芯まで温まらない
・短時間で終わってしまうのでリラックス効果がお風呂よりは低い
・お風呂より湯冷めしやすい
・身体全体を一度に温めることができない
以上のようなメリット、デメリットがあります。
お風呂とシャワーとの一番の違いは、やはり入浴にかかる時間(準備含め)でしょう。シャワーを浴びる場合はいざ入浴!と身構えなくてもさっと汗を流せるので、熱がでて汗を流したい場合には最適な入浴方法だといえますね。しかし手軽な分、湯舟は身体全体をまんべんなく温められるのに比べ、シャワーはお湯をかけているところだけ温かくなり、他の場所は時間経過とともに冷めていく、の繰り返しになります。
こちらの動画でよくお分かりいただけると思います。
★Thermo-Man Report★ Under the Shower- シャワー中♪温度分配図
特にお風呂がそんなに好きではない(得意ではない)人には、湯舟に浸かってじっくり温まるよりも体力の消耗も抑えられる為おすすめです。
逆にお風呂に入るのが好きな人にとっては、湯舟に浸かることでリラックス効果も期待でき心身ともに休まりますので、お風呂のほうがおすすめ。自分の身体や嗜好と相談しながら、心地よい入浴タイムにしてくださいね!
シャワーを浴びる時に気を付けたいこと
最後に、シャワーを浴びる時のポイントをご紹介します。
・お湯の温度を上げすぎず、ぬるめにする
具体的に何度という事は言えませんが、いつも浴びている温度よりも少し低めに設定して体温が過度に上がるのを防ぎましょう。また、入浴時間も短い方が良いです。高すぎる温度・もしくは長時間の入浴によって体温が上がりすぎると体力の消耗に繋がり、風邪への効果も薄れてしまいます。
・シャワーを浴びる前に浴室を温めておく
入浴する2~3分前から浴室内の換気扇を消してお湯を出しっぱなしにしておく等、お風呂に入る前に浴室を温めておきましょう。
・シャワーが終わったら湯冷めしないようにしっかり水分をふき取り、できるだけ早くお布団に入る
「冷え」「寒さ」は風邪の大敵!お風呂上りも浴室内で身体を拭いたり、温かい格好をしてすぐお布団に入ったりする等の冷えない工夫をしましょう。もちろん髪の毛もしっかり乾かしてくださいね。
・こまめな水分補給
汗が出て水分が身体の外に逃げた状態でシャワーに入ると、ひどい場合は脱水症状になるリスクもあります。
シャワーを浴びる前後には水分補給を心がけましょう。
お風呂とサウナの違いや効果
時々「風邪のひき始めにはサウナが効果てきめんだ!」という説を耳にします。
これはいったいどういう事なのでしょうか。
熱で殺菌して風邪を治す?
風邪のひき始めにサウナに入る場合に、熱で菌を体外に追い出すと聞きますよね。
確かに、風邪には「冷え」「寒さ」が大敵です。身体を温めること自体は効果があると言えるでしょう。しかしながら、このことが「風邪のウィルスは高温に弱いからサウナに入ると熱さで殺菌できる」ということではないのです。
サウナの中は高温なのは間違いないのですが、これは身体の表面を温めるだけの効果にしかすぎません。
すでに体内で風邪を引き起こしているウィルスを除菌するだけの効力はないのです。瞬間的に高温の場所に入りますので体力の消耗も激しく、体調が万全ではない時には得策ではありません。
保湿効果に期待してサウナに入る?
とりわけミストサウナに関してはかなり湿度が高く保湿効果は高いです。
しかしこれが風邪の時にふさわしいかどうかは、症状によって分かれます。
熱がある時
発熱中はやはり保湿効果の大きさよりも高温の負担のほうが身体への影響力が大きいため、あまりおすすめはできません。
一気に体温を上がると、身体はその後平温に戻そうとしてパワーを使います。これによって身体への疲労が伴うわけです。ただでさえ風邪をひいて体力を消耗しているところに追い打ちをかけることになるので、無理にサウナに入るとただ風邪を悪化させてしまう場合があります。
熱がない時
熱がなく、喉が痛い・鼻づまりがきついという症状だけの場合だったら、サウナに入ることで症状緩和につながることがあります。
ただしこれは、体力が十分にある場合に限ります。
ミストサウナの多湿によって、血行促進・保湿が期待できます。鼻や喉の血行を促し、さらに粘膜を潤すことができるため、例えば風邪のひき始めに「何となく喉が痛いなあ」という場合などはサウナに入ると良い場合もあるでしょう。
サウナは風邪の治療に効果がある?
サウナはお風呂に比べてかなり温度や湿度が高く、体力も奪われやすいと言えます。場合によっては効果を発揮する場合もありますが、非常に局所的な入浴方法ですので身体的負担のほうが大きいのです。
また、よほどのこだわりのある方でない限り自宅にサウナがあるわけではなく、公共施設内のものを利用することになりますよね。他人も多く出入りする場所ですので、自分の風邪を人にうつしてしまったり自分が他の人の風邪をもらう場合もあるでしょう。
よって、風邪をひいている時のサウナは避けた方が得策です。
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正しい入浴方法を守って風邪を治そう!
体調や症状によってふさわしい入浴方法は異なりますが、ベースの考え方としては「風邪をひいている時の入浴はお風呂が最も効果的。入浴をあまり得意としない人はシャワーでもOK」という認識が最も良いでしょう。
しかし入浴すること自体が身体に多少の負担を伴うことなので、どの方法をとるにしろ発熱が37.5度以下であること、そして風邪による症状が深刻ではなく一定の体力が温存できていることを条件に入浴するようにしてくださいね!
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