
誰もが一度は耳にしたことがある病気、「気管支炎」。
何となく「咳」に絡んでいる病気なのかな、というイメージがありますよね。
今回は、気管支炎について掘り下げていこうと思います。身近な病気であるがゆえになかなか警戒心を持ちにくい病気ですが、実は放っておくと恐ろしい病気なので、注意が必要ですね。
気管支炎についてきちんと理解して、患うのを防いだり万が一症状が出た場合でも適切に対処できるようになりましょう!
また、原因も知ることができれば対策も立てやすいかもしれませんね!
というわけで、今回は気管支炎の症状と原因について見ていきたいと思います。
目次
気管支炎とは?
気管支炎に関連する症状と言えば、まず「咳」が挙げられます。
私たちが持っているイメージ通り、気管支炎になると咳や痰が出るようになりますが、これは風邪とは全く別物です。
風邪との違い、そしてさらに、気管支炎には慢性・急性という違いがあります。
それぞれについて、早速詳しく知っていきましょう。
風邪と気管支炎の違い
咳や痰という症状だけ見ると、一見気管支炎も風邪もそんなに変わらないのではないかと思われがちですが、実際は全然違います。
どこに違いがあるかというと、それは炎症が起きている場所。
風邪の場合は、鼻からのどまでの気管を指す「上気道(じょうきどう)」の炎症を指します。風邪の場合は患ったとしても大体1週間以内には治るので、急性疾患に分類されています。
対して気管支炎はというと、まず炎症を起こしている箇所は風邪よりも下の、「下気道(かきどう)」という気管が炎症を起こした際の病気。特に急性の気管支炎は風邪とよく似ているため一見見分けがつきにくいですね。
急性の気管支炎の場合
急性の気管支炎にかかる原因は、ウイルスもしくはマイコプラズマによる感染症であることが最も多いと言われています。
主な症状としては咳や痰ですが、重症度が深刻になるとあごや背中の痛み、筋肉痛など、身体全体に辛さがいきわたる場合もあるので、たかが咳だからといって軽んじるわけにはいきません。さらに、放っておくとウイルスの二次感染にもつながりかねないので早めの対処が肝心なのです。
急性の場合は感染から大体数日から数週間で完治しますが、慢性の場合は数週間から数ヶ月も続くことがあります。
では次に、慢性の気管支炎の場合についてみていきましょう。
慢性の気管支炎の場合
慢性といわれる気管支炎は、1年のうち3か月以上咳が続き、そしてその状態が2年以上続くと慢性気管支炎と診断されます。
慢性気管支炎の場合、「肺結核」などのような明確な病名がつく場合は当てはまりません。あくまで原因不明の咳や痰が長期間にわたり続く状態のみ当てはまります。
では、主な原因は何なのかというと一般的には喫煙だと言われています。
タバコを吸う事によって気管支や肺の一部である肺胞がいつも刺激され、徐々に気管支炎の症状をもたらしてしまうのです。
喫煙することによって肺がどのくらい汚れるのでしょうか。
動画を参考に体感してみてくださいね!
【危険】たばこ喫煙者必見!肺の汚れが見える実験
主に男性に多いといわれるのがこの慢性気管支炎ですが、たばこを吸う人だけではなく、たばこを吸う人のまわりにいつもいる方々も受動喫煙には注意しましょう!
気管支炎の症状について
それでは、気管支炎になるとどのような症状が表れてくるのでしょうか。
急性気管支炎の場合
まず急性気管支炎の場合は、以下のような症状が代表的です。
・風邪の初期症状(のどの痛み、鼻づまり)
・咳や痰
・発熱(軽度)
・体のだるさ
・下痢や嘔吐など
総体的に見てみると、風邪の症状によく似ていますよね。
その分素人判断で「風邪かな」と油断してしまいがちですが、気管支炎は放っておくと命の危険に関係するので、早めに病院へ行って医師の診断を仰いでくださいね!
慢性急性気管支炎の場合
・咳や痰
・息苦しさ(呼吸困難ともいわれます)
・皮膚や粘膜の変色(チアノーゼ)
・息切れ
・ばち指(低酸素状態が続いたとき、指先が膨れてしまったり、通常は160度程度指と爪の連結部が180度以上に反ってしまう状態の事)
このような症状が続いたときは、急性の気管支炎同様早めに医師の診断にかかりましょう!
なぜ気管支炎になるのか
気管支炎の主な症状と言えば咳が出ること。特徴としては、痰が絡む「ゴホゴホ」という咳が出たり、なかなか咳が止まらなかったりするようなケースが挙げられます。
咳が出続けると気道の粘膜が傷ついてしまい、炎症が起きてしまうことがあります。
これだけ聞くとどうも咳が悪者のように思えてきますが、ではそもそも咳って何で出るのでしょうか。
咳が出るメカニズムを知って、まず咳ってどんなもの?という疑問から解決していきましょう!
なぜ咳が出る?
いったん咳が出はじめるとなかなか止まらない!「こんなきつい症状、なんであるの?」
なんて、どうしても気管支炎になると感じてしまうことが多いですよね。
咳が出る主な原因は、体内に入ってくる異物を排除するためです(異物とは空気を吸ったときに一緒に取り込まれるウイルスやほこりなど)。
空気と一緒にこれらのような異物が気管に入ってくると、気管にある「異物センサー」が脳に「異物が入ってきたぞ!」という報告をします。
それを受け取った「脳の咳をコントロールする部分」は、「咳を出して異物を排除しよう!」という指令を気管の筋肉に伝えます。これによってその筋肉が刺激され咳が出る、というわけです。
この体内で繰り広げられている伝達は、意識的にコントロールできるものではありませんので、「咳を止めたい!」と思ってもなかなかそうはいかない、というわけなのです。
このメカニズムを知ると、「咳って本当は身体のために起きていることなんだな!」ということが分かりますね。
気管支炎になる原因とは
さて、それでは気管支炎になる直接的な原因って何なのでしょうか。
これが分かれば、事前の対策も立てやすくなりますよね!項目別にご紹介していきますので、気管支炎対策に役立ててみてください!
感染性の場合
感染症による気管支炎とは、ウイルスなどで粘膜の炎症を引き起こすことによって発症するケースのことを言います。このウイルスは「マイコプラズマ」「肺炎球菌」という二つが主なもので、感染症による気管支炎の場合は風邪をひいた後に咳だけ残り、それが悪化した場合に起こるのもこのケースに当てはまります。
ですので、「風邪が治ったからといって多少の咳が残っていても油断しない」ように、全ての症状を根治させきるように心がけましょう。自己診断が最も危険です。医師の診断を仰いでくださいね!
私も咳が止まらない時は耳鼻科で診てもらうことが多いですが、その時はいつも漢方を処方されます。
こちらの動画でもオススメの漢方を説明されているので、一度ご覧になってみてください。
慢性の気管支炎に効く漢方薬とツボ
刺激性の場合
刺激性とは外部要因によって気管に炎症が起こるものです。具体的には、「タバコ」「大気汚染」が原因の二大巨頭と言われています。この場合は、感染性のように短い期間で収まるものではなく癖になってしまう(慢性気管支炎)場合も多く考えられます。
タバコの場合、対策としては「禁煙」が最も効果的でしょう。
しかしながら本人がタバコを吸っていない場合も副流煙が原因になる場合があります。身近に喫煙者がいる場合は相談して対策を講じることが必要でね。
大気汚染の場合、個人でできる対策としては「マスクを着用すること」「大気汚染が問題になっている地域にはなるべく近寄らないこと」が大切です。
慢性の場合
医師から「慢性の気管支炎です」と診断された場合、「痰が絡んだ咳が長期間出ていること」が判断軸になっています。長期間というと、3ヶ月以上咳が続く状況が2年以上あるということになります。
慢性の気管支炎であっても、明確に別の病気と診断されることがあります。この場合、気管支炎と同じ症状であっても気管支炎とは診断されず、その別の病気が病名となります。上記のような喫煙や大気汚染はもちろん、空気の乾燥などもこの原因になります。日本の冬だと辛い季節ですよね。保湿が大切なので湯舟や加湿器などを利用して喉を傷めないように心がけましょう。
早めの対策がカギ!
以上のように、一言で「気管支炎」といっても、慢性か急性かによって症状は様々です。そして、その分対処法も様々であるといえますね。
呼吸が苦しくなると日常生活にも支障が出てくるでしょう。
咳はとても身近な症状なので軽く見てしまいがちですが、実は大病のサインである場合もあります。軽くみることなく医師と相談しながら、自分の気管支炎の原因は何なのかをしっかり突き止め効果的な対策をとるようにしましょう!
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