
あなたは「俯瞰(ふかん)」という言葉を使うことはありますか?大人なってから、たまに使うようになったという方もいるのではないでしょうか。
漢字も難しいですし、あまり見たり聞いたりすることがないので、どういう意味か分からないという方も多いようです。
今回はこの「俯瞰(ふかん)」についてご紹介していきます。
目次
俯瞰の意味やその他の表現方法
なんとなく「ふかん」と言葉は聞いたことはありますが、漢字で「俯瞰」と書いてあるのはあまり見かけることもありませんよね。なので自分には関係ないと思っていても、もしかすると今後見聞きするかもしれません。
頻繁に使うことは無くとも、いざという時のために意味を覚えておきましょう。
「俯瞰(ふかん)」の意味は漢字で分かる
前述で何度か出てきていますが、「ふかん」とは少し難しい漢字を書きますよね。
「俯瞰」とかいて「ふかん」と読むので、覚えておきましょう。
そして、この意味ですが、それぞれの漢字が持つ意味から成っているのです。言葉を分解してみてみましょう。
俯(ふ)→うつむく
瞰(かん)→高い所から下を眺める
上記のように漢字それぞれに意味があり、二つをつなげると「高い所から下を見下ろし眺める」ということが「俯瞰(ふかん)」の意味になります。
ただ、これはあくまで直接的な意味であり、この意味が転じて「広い視野と客観的な視点で物事を見る」という意味で使われることもあります。特にビジネスシーンでは、こちらの意味として使われる場合が多いです。
英語
難しい漢字が使われている「俯瞰(ふかん)」ですが、日本だけで使われているわけではありません。英語でも同じ表現が使われることもしばしあるようです。
Bird’s-eye view
直訳:(高い所から見渡す)全景
直訳を見ていただくと分かるように、日本語とほぼ同じ意味で使われています。
意味:高い所から下の方を俯瞰(ふかん)する。
意味:丘の上からなら全市を俯瞰的(ふかん)に見ることが出来る。
例文のように前後につく言葉次第で俯瞰(ふかん)の意味が変わってくるという点から、考え方は日本語と同じようですね。
俯瞰(ふかん)の類義語は?
大体の日本語には類義語というものが存在しますが、「俯瞰(ふかん)」にも、限りなく意味の似ている言葉で、「鳥瞰(ちょうかん)」という言葉があります。
「鳥瞰(ちょうかん)」の意味は、『高い所から広範囲を見下ろす・全体を見渡すこと』のように、「俯瞰(ふかん)」とほぼ同じ意味です。
二つの違いと言えば、
俯瞰(ふかん)→立体的に見る
鳥瞰(ちょうかん)→平面的に見る
になりますが、一般的にはそこまで厳密に区別して使われることもないようです。
「俯瞰(ふかん)」のる類義語は「鳥瞰(ちょうかん)」と覚えておきましょう。
俯瞰(ふかん)の対義語
高い所から見下ろすという意味の「俯瞰(ふかん)」とは逆の意味を持つ言葉に、「仰望(ぎょうぼう)」という言葉があります。
「仰望(ぎょうぼう)」とは、漢字の通り「あおぎのぞむこと」であり、分かりやすく言うと「地上から高い所を見渡す」という意味です。
俯瞰(ふかん):高い所から見下ろす
仰望(ぎょうぼう):低い所から見上げる
例文)富士山を仰望(ぎょうぼう)する。
俯瞰(ふかん)と合わせて覚えておくと便利な言葉ですね。
俯瞰の使い方、「俯瞰的に見る」について
先ほどご紹介したように、「俯瞰(ふかん)」には「広い視野で客観的に物事を見る」という意味でもあります。
なので、山に登って「俯瞰的(ふかんてき)に見る景色は美しい」とは言うのはおかしいですね。「俯瞰的(ふかんてき)に見る」というのは、「主観ではなく、相手のことも考えて見る」ということなので、主にビジネスシーンで使われます。
ただ、「俯瞰(ふかん)」という言葉に「見る」という意味が含まれているので、「俯瞰的(ふかん)に見る」だと、二重表現ではないか?と思う方もいるようです。
確かに、「俯瞰(ふかん)して見る」「俯瞰的(ふかんてき)に見る」は二重表現にあたります。
ですが、「踊りを踊る」や「体重が重い」など日常的に使われている二重表現も多くあります。必ずしも二重表現が間違いというわけではなく、「俯瞰的(ふかんてき)に見る」も含め一般的に意味が通っているものは、間違いではありません。
あまり深く考えずとも、今まで通り安心してお使いください。
意味に注意しながら、例文にて、「俯瞰(ふかん)」の使い方をおさらいしておきましょう。
意味
- 高い所から下を見下ろし眺める
- 広い視野と客観的な視点で物事を見る
例文
・山の頂上から俯瞰する景色は美しい。
・たまには自身の人生を俯瞰する必要がある。
・施設全体を俯瞰的に見て問題点を探す
・タワーから街の夜景を俯瞰する。
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大人の言葉をマスターしましょう
いかがでしたか?聞いたことがあるようでない言葉は意外と多いものです。
ですが、意味をしっかり理解していれば、使うのにもさほど思い悩むこともありません。
「視野を広く見渡しましょう!」も「俯瞰的(ふかんてき)に見ましょう!」と言い換えるだけで、大人な言葉遣いに聞こえますよね。
少しずつ難しい言葉をマスターし、語彙力アップにつなげましょう!
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