
突然ですが、皆さんは毎日、新聞に目を通していますか?私は、興味のある記事を抜粋して読んでいるのが正直なところです。ネット上でも同じですが、特に経済紙面を読んでいると難しい経済用語が並んでいますよね。
「経済のことは私たちに身近なことなので、関心はあるのだけれど何しろ難しい漢字や用語が…」と、つい読み飛ばしてしまったりで結局書いていることが半分も理解出来ずに、そのうち経済紙面自体を読まなくなったりしませんか?
しかし、経済は私たちにとっては一番と言っていい程、関心を持つべきもので動きのあるものなのです。知ることが私たちの生活に繋がっていき、社会に関心を持ち働くということへの意欲に繋がるのではないのでしょうか。
そこで、今回は少し難しい読み方、意味の「誤謬」について解説していこうと思います。
「誤謬」の意味と語源
早速ですが、ここで「誤謬」の意味と語源について見ていきましょう。
「誤謬」の意味とは
この熟語、「誤」は「ご」と読むとすぐにわかったのですが、問題は「謬」です。
「診」に似ているから「しん」と合わせて「ごしん」と読んだりする方もいるでしょう。
正しくは「ごびゅう」と読みます。「誤謬」とは「間違い」ということを意味します。
「間違い」という表現は私たちの日常会話でも使いますが、「誤謬」を使うことはほとんどなく新聞や書籍などで目にする言葉ですね。経済用語には「合成の誤謬」という言葉があります。これは、「個々としては正しいものでも、全体を見れば間違っていること」という意味を表します。
例えば、将来への不安から個人が自分の為に貯蓄をすると結果的に物は売れなくなります。物が売れなくなると経済状態が悪化し、景気は悪くなり個人の所得も下がってしまうということです。
ただ単なる「間違い」というのではなく、一見すれば正しいと思えることが実は間違っていること、それを「誤謬」と言います。
「誤謬」の語源
次に、「誤謬」の語源について見ていきましょう。同じ間違いを意味する漢字も、その語源がわかれば、難しい文面も面白くなります。
「誤」
「ご」は「巫女(みこ)が舞い狂う」を表す漢字
ここで言う舞い狂うは、巫女の話す言葉が正常ではなく誤っていることが多い、ということから「あやまり」の意味になりました。
「謬」
「びゅう」は「誤った発言」を表す言葉
「謬」についてはハッキリとした語源がないのですが、人が発する適当な発言のことを意味すると言われています。
この二つを合わせると、「考え方の誤り、言葉の誤り」といった多方面の誤りが重なって出来た熟語である、ということがわかります。このように、同じ間違いを意味する漢字も、その語源がわかれば難しい文面も面白くなりますね。
「誤謬」の使い方
「誤謬」と言う意味を理解できたところで、いくつかの例文を挙げていきたいと思います。
・「誤謬を正しくする必要がある」
・「誤謬率を測定してみる」
・「会計調査にて誤謬に気がついた」
・「誤謬を指摘し、正していくことが私の使命である」
・「愛嬌ある誤謬については、黙認することもありきである」
このように、「間違い」に置き換えても同じ表現になります。ただ、日常会話の中で「これは間違いだね」とは言っても「これは誤謬だね」と言う人はいないでしょう。
無理に会話に取り込むことはないのですが、このような表現をすることで幅が広がり文面に深みが増していくことから読者の考察力も高まるのではないのでしょうか。
「誤謬」を取り入れることで堅くなるだけでなく、文面が引き締まったフレーズとなり伝えることができますよ。
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「誤謬」を怖がらないで
最後になりましたが、「誤謬」すなわち「間違い」はどちらかと言えば、いいイメージの言葉ではありません。しかし、「誤謬の可能性」は誰にでもあります。
間違った思い込みは自分で気がつかず、誰でもが「誤謬」に陥ってしまうということにあります。だからこそ「誤謬」に気がつくこと、真相を追究していくことが自身の中にある誤謬を認めていくことになるのでしょう。
たくさんの言葉や熟語はありますが「誤謬」を怖がらず向き合って、「誤謬に気づいたら即訂正する」これが大切なことなのでしょうね。
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