
「木を見て森を見ず」ということわざを聞いたことはありますか?
ビジネスシーンでよく使われているので、聞いたことはあるという方も多いでしょう。
ですが、どのような意味合いで使われているかはご存知ですか?
聞いたことはあるけれど、意味は知らないというあなたの為に、「木を見て森を見ず」の意味と由来、そして、使い方の例文をご紹介します。
目次
「木を見て森を見ず」の意味と由来とは?
「木を見て森を見ず」の意味
まずは、「木を見て森を見ず」の意味から見てみましょう。
「木を見て森を見ず」とは、「目の前の出来事ばかりを見て、全体(周囲)を見渡せていない」という意味で使われることわざです。これは、ビジネスシーンにおいてとても致命的です。
「目の前の作業は進むのに、先を見通していないから全く前に進まない」という現象が起きてしまいます。
毎日コツコツ働いても、自分の利益だけではなく周囲やそれに影響する事項など、自分以外の全てのものにも気を配らないといくら理想を掲げても近づけません。
時として、自分だけの力ではどうにもならないこともあります。そういう時に、周りが協力してくれないと、何も進みませんよね。そういうことがないよう、「木を見て森を見ず」にならないよう注意が必要です。
「木を見て森を見ず」の由来
「木を見て森を見ず」の由来は、西洋各地で使われていることわざから来ていると言われています。
よく聞くのは「木を隠すなら森に隠せ」などのことわざです。
英語・フランス語・ドイツ語と様々な言語で同じような言い回しのことわざがあるため、どこから来たのかはハッキリしていません。そのため、西洋方面から来たと言われています。
「木を見て森を見ず」は英語でなんて言うの?類義語はある?
「木を見て森を見ず」の英語表現
「木を見て森を見ず」は、英語で
You cannot see the wood for the trees.
と言います。
和訳はそのまま、「木を見て森を見ず」です。
意味は、同じく「小さい物を見て、大きな物を見落とす」という意味です。
「木を見て森を見ず」の類義語
類義語は、
「鹿を追う者は山を見ず」
という言葉があります。
この「鹿」というのは「自分の利益」を指しており、「自分の利益ばかり追っていて、その周りにあるものを一切見ていない為、周囲への危険と自分自身の危険に気付かない」という意味で使われます。
「木を見て森を見ず」と「鹿を追う者は山を見ず」の両方とも、「視野が狭くなる」という点で同じ意味をもつことわざです。
「木を見て森を見ず」はどういう時に使うの?例文紹介!
では、実際に「木を見て森を見ず」はどういう時に使うのでしょうか?
いくつか例文をご紹介します。
・「あの時は、自分がどれだけ評価されるかしか考えてなくて、仲間との協力は二の次だった。まさに『木を見て森を見ず』だった。」
自分の利益ばかり考えていた結果、周りと疎遠になってしまった様子を表しています。
「自分ばかりではなく、周りと協力しておこなえば、このような結果にはならなかった。」と後悔している念も感じ取れます。
・「木を見て森を見ずだったから、会社は倒産したんだ。」
目の前の利益ばかりを追い求め会社全体の図が見れなかった結果、経営破綻してしまった様子を表しています。
経営が減少に傾くととても慌ててしまい、どうしても目の前の問題だけを解決しようとしがちです。
それだけに目を向けてしまった為、周囲との信頼関係が失われてしまい、そのような結果になったことが伺えます。
このように見ると「木を見て森を見ず」は、プラス思考のことわざではなくマイナス思考で起こってしまった物事に対して後悔している様子を表すのに適していることわざのようですね。
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「木を見て森を見ず」にならないようにするには?
誰しも、今目の前にある問題が重要で、それを解決する為に様々な策を練り、実行しますよね。
私自身も目の前のことが大きすぎて、周りが見えなくなってしまうということが多々あります。ですが、そのような生活をしていると、本当に目の前が真っ暗になってしまいます。目の前が真っ暗にならない為にも、目の前のことを着実に進めながら、周囲も見渡せられるよう努力が必要です。
ビジネスシーンでは、このスキルはとっても重要です。このスキルがないと、出世候補にはまず入れないでしょう。
落ち着いて目の前と周囲を見渡せるようにする為に、「一歩引いたところから自分を見る」という習慣をつけると良いかもしれませんね。
そうすることで、自分の理想にも着実に近づけるのではないでしょうか。
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