
突然ですが、あなたは「先般」という言葉を聞いたことはありますか?
日常会話で聞くことはほとんどありませんよね。そのため、意味を知らないという人も多いようです。
今回は、この「先般」という言葉の意味とはどんな時に使われるのか、似ている言葉等についてご紹介していきます。
「先般」の意味は?読み方は?
あまり聞きなれない言葉ですが、主にビジネスシーンで使われる「先般」は「せんぱん」と読みます。
今からあまり遠くない過去の出来事を指す言葉で、一言でいうと「このあいだ」という意味になるのですが、ここで重要なのが何がメインであるのかということです。
「このあいだ」というと「最近のあの日」のように、日にちに重点が置かれますが、「先般」の場合は同じ「このあいだ」の意味でも「最近のあの事」のように出来事に重点が置かれます。その出来事を指す「このあいだ」を丁寧にした言い方が「先般」です。
「先般」の意味としては「最近あった出来事」だと覚えておきましょう。
ただ、そこまで難しい言葉というわけではなく、一般的には日にちを指すのか出来事を指すのかの区別はせずに、「このあいだ」の代わりとして使われているので使用にはそこまで慎重にならなくても良いでしょう。
「先般より」の使い方
前述のように、「先般」は主にビジネスシーンで使われる言葉であり、日常会話で使われることはほとんどありません。ただ、ビジネス会話では相手を不快にさせないようにするのが当たり前なので、「先般」は覚えておくと今後の役に立つ言葉です
「先般より~」を使い、柔らかな雰囲気の会話を心がけましょう。
「先般より」の例文
以前からのやり取りについて、返事を催促する場合
正)先般よりお伝えしていた件について、お返事いただけたら幸いです。
誤)前から話していた件についての返事はまだですか?
「前から話していた」というのは「前に話していたのに」のように、なんだかきつい印象を与えてしまいますよね。その後ろに「まだですか?」が付くと「前から話していたんだから早くしてください。」と、怒って催促しているように聞こえてしまいます。
「先般より」を使うことで「このあいだお話しさせていただいた件」と言葉に丸みが出て、同じ催促でも相手の気分を害することがなくなります。
「このあいだ」「前から」ではなく「先般より」を使えば、目上の相手に言いにくいことも、言いやすくなりますよ。
「先般」の期間はいつまで?類語は?
「最近あった出来事」を指す「先般」ですが、ではその「最近」がいつまでなのか気になりますよね。
「最近」というのはもちろん過去のことを指しますが、はっきり何日前までという定義はなく、相手がその出来事を覚えている期間であれば「先般」は基本的に使用することが可能です。というのも、「それがいつの日だったか」ではなく「その出来事」が重点であるため「1週間前の会食の日の事だね!」ではなく「○○さんとの会食の事だね!」のように、相手がその出来事さえ覚えていれば使うことが出来ます。
似ている言葉に「先日」がありますが、「先日」というのは、先ほどの「1週間前の会食の日の事だね!」のほうに当てはまります。おおよそですが、「先日」は1週間~10日程度以内が一般的です。
ですが、実際には「先般」もすぐに思い出せるのは1週間~10日ほどですし、重要な日に重要な出来事があるのは当たり前なので、「先般」も「先日」も区別されずに使われているのが実状です。
なんとなく「先般」よりも「先日」の方が、最近のように聞こえますよね。
類語とその期間を、見比べると分かりやすいですね。
・「先般」→相手が覚えているうち
・「先日」→1週間~10日程度以内
・「過日」→数か月~半年程度前
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ビジネスマナーとして覚えておきましょう
「先般」は「先日」とよく似ており、どちらも区別なく使われそれでも問題ないとされているのが実状ですが、ビジネスマナーを学ぶ際には覚えておきたい言葉ですね。
「先般」という一言だけではなく、“「先般」は過去の「出来事」を指し、その出来事を相手が覚えている限り使うことのできる言葉”という意味も合わせて覚えておきましょう。
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