
あなたは、「御社」と「貴社」の違いをご存知ですか。ご存知の方は、当然のように使い分けもご存知かと思います。しかし、これから入社する新人社員の中にはご存知ない方もいるかと思います。
実はこの言葉、使い方を間違えてしまうと相手に大変失礼になります。
そこで、相手に失礼のないよう、「御社」と「貴社」の違いと使い分け方をご紹介いたします。
「御社」と「貴社」の違い
「あなたの会社」を尊称した言葉が「御社」と「貴社」です。意味は同じですが、「御社」は話し言葉と書き言葉、「貴社」は書き言葉のみと使い方が違います。何故「貴社」は書き言葉のみなのでしょうか。
それは、「きしゃ」という言葉がたくさんあるからです。ふと思いつく「きしゃ」でも「帰社」「記者」「汽車」「騎射」など「貴社」の他に4種類も出てきます。このことから、話し言葉で「きしゃ」と発言すると、どの「きしゃ」なのか分からなくなってしまう為、書き言葉のみになったのです。
話し言葉と書き言葉を別々にするのは面倒だと感じる方は、話す時と書く時の両方使える「御社」を常に使うのも良い方法だと言えます。
しかし、「御社」と「貴社」を使い分けて対応すると、相手への印象が少しだけ変わります。ほんの気持ち程度ですが、好印象を持っていただけます。
なるべくであれば、「御社」と「貴社」を使い分けて対応することをおすすめします。
「御社」と「貴社」の使い方
では実際にどういう使い分けができるのか、いくつか例文をご紹介いたします。
「御社」を使った例文
まずは、話し言葉と書き言葉の両用ができる「御社」について見ていきましょう。
・「御社を志望した理由は、御社の経営理念である◯◯に感銘を受け、~」
・「以前から御社を存じ上げておりました。」
・「御社へのメリットと致しまして、~」
・「御社の開発された新商品を、是非弊社で販売させて頂きたく存じます。」
・「御社の経営状況は~」
・「御社とタッグを組んで新事業に取り組みたいと考えております。」
・「御社の◯◯さん宛に資料をお送り致します。」
・「◯月◯日◯曜日◯時に御社の1階エントランスにてお待ちしております。」
・「御社とのお約束は白紙に戻して頂けますか。」
・「御社より◯◯様へご連絡頂けますか。」
「貴社」を使った例文
次に、書き言葉のみに使われる「貴社」について見ていきます。
・「貴社におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。」
・「貴社が開発された◯◯の試作発表会に参加したく存じます。」
・「貴社のますますのご活躍をお祈り申し上げます。」
・「先日貴社へお伺いした際、◯◯をお渡ししておりませんでした。つきましては~」
・「◯月◯日◯曜日◯時に、弊社◯◯が貴社までお迎えに上がります。」
・「◯月◯日◯曜日◯時に貴社へお伺い致します。」
・「貴社よりご提案いただいた案件につきまして、今回は見送らせて頂きたく存じます。」
・「今後貴社との取引はお受けできません。」
・「貴社の魅力を教えて頂いてもよろしいでしょうか。」
・「貴社からの連絡をお待ちしておりましたが、~」
やはり、このように例文を並べるだけでも「御社」の方は普段の会話として用いられ、それに対して「貴社」の方は書き言葉だけあって少し堅いイメージがありますね。
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「御社」と「貴社」を使い分けよう
このように「御社」と「貴社」を使い分けて接すると、相手への印象も良くなり顧客が増えるなんてこともあるかもしれません。
良い成績を収めるコツは、基本であるビジネスマナーをしっかり身に付けることからです。
言葉の使い方や態度・服装・髪型など、様々な面でビジネスマナーは存在します。
どれも仕事をする上では大切なマナーですので、一つひとつをしっかりと身に付けましょう。
「御社」と「貴社」との違いは、「話し言葉」と「書き言葉」です。
・直接会って話す時や電話対応の時は「御社」
・書面に書き表す時は「貴社」
この違いを知った上で、状況に合わせて適切な使い方が出来るよう心がけましょう。
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