
最近では、終身雇用が当たり前だった時代を脱却して、多くの人が転職や退職を躊躇なくできるような社会になってきました。私も自分のやりたいことのために仕事を辞めた経験があります。会社に入ることだけが働く形だけではなくなってきたので、自分が送りたい人生を歩めるようになったと感じますよね。会社をやめる時に円満退社が一番ですが、いつ何時もそういうわけにはいかないもので自分でやめると決めるほかに会社が退職を促すケースもあります。
この記事では、そんな退職の一つの形である「罷免」について、意味や類義語・対義語をご紹介します。
目次
「罷免」の意味や使い方
「罷免」の意味
まず、あまりなじみのない「罷免」の読み方についてです。「罷免」は「ひめん」と読みます。
「罷免」とは、「公務員を、当人の意思に反して辞めさせること」という意味です。
特に「罷免権」という、憲法上定められた権利もあります。「罷免権」においては、内閣総理大臣が任意に国務大臣(公務員)を罷免することができるという権利のことを指しています。
「罷免」の使い方
罷免という言葉を使う時のポイントは、もちろん「罷免」だけ名詞で使うことも可能ですが、「罷免する」「罷免される」というように動詞として使う方が抵抗なく使えます。
【例文】
- 「不祥事が重なったのであの大臣は罷免されて当然だ。」
- 「最初は期待していたものの、彼の政策はのきなみ失敗に終わっている。残念だが罷免せざるを得ない。」
- 「セクハラ疑惑が出た以上彼の罷免は避けられないだろうが、一存で決めるのも角が立つので委員会を開いて決めよう。」
このように
- 公務員をやめさせる時に使う
- 「罷免する」「罷免させる」のように動詞として使う
以上のポイントを押さえておくと、いざ使う時も躊躇なく使うことができるのではないでしょうか。
「罷免」類義語
「罷免」という言葉には、いくつか類義語があります。
- 「更迭(こうてつ)」
- 「弾劾(だんがい)」
この二つは意味を混同しやすいので注意が必要です。
大きな違いは、それぞれ下記のようになります。
「罷免」と「更迭」の違い
「罷免」には「公務員をやめさせる」という意味がありますが、「更迭」は「地位のある人の役職を他の人に変えること」という意味があります。
確かに前任者は職を失うことになり、この点に関しては「罷免」と同じ意味になりますが、それだけではなく役職を他の人にとってかえるという部分が大きな違いとなります。
「罷免」と「弾劾」の違い
では「罷免」と「弾劾」の違いをご消化する前に、「弾劾」の意味をまず押さえておく必要がありますね。
弾劾は「身分を保証されている公務員の犯罪や不正を暴き、責任を求める」という意味があります。
まず公務員に対する決めごとであることが「罷免」と「弾劾」の共通項であるといえます。
また「不正を暴いて責任を追及する」ということが、結果辞職を求めることとほぼ一緒である場合もあることからニュアンスとしてはとても似ている部分があります。
しかし「弾劾」についてはあくまで結論が「辞めさせること」とは限らないので、そこは「罷免」との大きな違いだといえます。
「罷免」の対義語
「罷免」は職を辞することを求める言葉だということが分かりましたね。
では対義語、つまり反対の意味を持つ言葉には何があるかというと、下記のようなものがあります。
- 「任命(にんめい)」
- 「採用(さいよう)」
これらの言葉は、役職や職務に就くように命じることを意味しています。
特に「採用」という言葉に関しては、対象者がその役職にふさわしいか、適合するかどうかをきちんと調べた上で職を与えるという意味も含まれています。新卒者の就職活動でもよく聞く言葉ですよね。
色々な「辞める」という形
自分の意思で会社や役職を退く形がありますが、「罷免」には重い不祥事や何か見逃せない失態が深く関わっているということがわかります。
職に就くということは、それなりの責任が伴うもの。
その職務を全うするために、正しい道をいつも歩んでいれば「罷免される」ということとは基本的に交わることもないでしょう。
しかしニュースで出てきたときに「罷免」や類義語の意味や違いが分かっていれば、より理解も深まります。言葉のバリエーションが多く混同することなく、意味を確実に知っておけるとよいですね。
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