
私は英語やドイツ語と日々接する機会もあり、外国語を勉強する面白さと大変さを実感する毎日を過ごしています。その中で感じるのは、いかに日本語が表現豊かでバリエーション豊富な言語かということです。他の言語では再現できない言語表現が沢山あるんですね。
特に印象的なのは、同じ言葉でも文脈によって意味や役割が変わるということです。
この記事では、複数の意味や役割を持つ言葉の中の1つである「そもそも」の意味や英語・類語表現、使い方の例文についてご紹介していきます。
目次
「そもそも」の意味と言い換え
「そもそも」という言葉は誰もがしばしば使う言葉ですよね。
改めて見てみると、新たな発見があるかもしれません。まずや意味や似たような意味を持つ言葉などを順に見ていきましょう。
「そもそも」の意味と使い分け
「そもそも」は、使う場所や言葉の組み合わせによって下記の二つの意味に分かれます。
名詞としての「そもそも」
名詞として「そもそも」を使う場合は、「最初」「発端」「物事のはじまり」という意味があります。
また、さらに言うと動詞を修飾して副詞的に使うこともできます。
接続詞としての「そもそも」
接続詞は、文と文をつなぎ合わせる役割を持つ品詞です。「そもそも」を接続詞として使う場合、「いったい」「だいたい」「さて」というように、文の文頭に置いて物事の説明を始める時に使うことができます。
話が一定度合進んでいったときに、最初に立ち返ったりある時点を振り返ったりする際に用いましょう。
また、豆知識ですが、「そもそも」は漢字にすると「抑」「抑々」という風に書きます。
あまり自分で書くことはないかもしれませんが、いざ目にしたときに読めると便利ですね。
「そもそも」の英語・類語表現
「そもそも」の英語表現
英語で「そもそも」と言いたいときは、下記のような表現を用いてみましょう。
- in the first place(まず初めに、当初から)
- anyway(さて、元来)
- originally(当初は、古来は)
上記のような単語が出てきたら「そもそも」と訳しましょう。
どの表現をとっても、形式的ではなく会話の中で用いることで自然な表現になります。特にanywayは一番砕けた表現と言えるでしょう。友人間の会話でも使ってみてください。
「そもそも」の類語表現
特に接続詞としての「そもそも」には、他の言葉の中にも類語があります。
是非知って頂きたい類語には以下のような言葉があります。
- 本来
- 古来は
- 当初
どの類語もちょっと固いイメージがありますので、「そもそも」と合わせてその場面ごとで使い分けてみてください。
「そもそも」の使い方と例文
では、「そもそも」という言葉の使い方について解説していきます。
こちらでは例文もご紹介するので実践に役立ててください。
「そもそも」の使い方
ビジネス上では多用を避ける
「そもそも」を接続詞として使う時には、話の論点をいったん原点もしくは過去のある一点に戻す働きをします。
これを多用してしまうと、議論がなかなか先に進まず、話が先に進まないといった印象を与えかねません。
必要性を踏まえて、必要な時に最低限使うようにすると効果的です。
「そもそも」の意味を勘違いせず正しく使う
多くの人が勘違いしがちなのですが、実は「そもそも」に「基本的に」という意味はありません。誤用しないように注意しましょう。
「そもそも」の例文
- 「そもそも(元はと言えば)、私のミスが原因でこのビジネスは白紙になった」
- 「そもそも(当初から)、私は君が学生の頃から目を付けていた逸材なんだよ」
- 「彼の案に私はそもそも(最初から)反対していた」
- 「そもそも(元来)このモニュメントは平和の象徴として建てられたんだよ」
- 「そもそも(だいたい)、海外に行ったばかりの彼女が同窓会にくるわけないじゃないか」
いかがでしょうか。
色々な役割で「そもそも」が登場していますよね。色々な使い方があるので、さまざまなシーンで用いるようにしたいですね。
「そもそも」がどういう用法で使われているのかわからない、という場合は、他の言葉に置き換えて読んでみましょう。文脈が自然であればそれが正しい意味だということが分かります。
バリエーション豊かな意味合いを楽しく理解しよう
沢山の意味をもつ言葉をひとつ残らず正しく理解するというのは難しいことのように思えてきますが、慣れ親しむことさえできれば実際は利便性の高い言葉ともとることができます。
間違いを恐れず、まずは使ってみることによって言葉の理解を深めていきましょう。そうすることによってあなたのボキャブラリーは豊富になり、ビジネス上でもワンランク上のやり取りができるようになります。
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